大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ (文春文庫 う 11-11)
大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ (文春文庫 う 11-11) / 感想・レビュー
まちゃ
宇佐江さんの作品は初めてでした。怖い話を披露し合う百物語を題材にした怪奇短編集。百物語の参加者の人間関係も織り交ぜながら、人が死とどう向き合うのかを描いたのではないでしょうか。なんとも寂しい結末でした。
2016/06/01
shizuka
怪奇ものだからと身構えて読みすぎて、第一話はほんとうに怖かった。(実は怖くない)夜中、暗い部屋で一人で読んでて死にそうになった(阿呆である)けれど、「箱根にて」が怖さを遥か上回り、心温まるいいお話であったため、一気に形勢逆転。怖いなんて嘘さ。確かに怪奇談ではあるけれど、読者をビビらせて終わりの小説ではない。私は「目に見えないもの」はあると思っているから、不思議な話があっても納得できる。だから異界の近くにいる可能性もある。が、戯れに覗くことだけはやめておく。いずれ、そちらに逝くのは約束されていることだしね。
2017/03/10
ふじさん
作り事は一切無用、ほんとうにあった怖い話だけを披露する「話の会」に顔を出すようになった清兵衛、いつしか会の魅力に引き込まれる。そのうちに奇妙な出来事が続いて起き、仲間が次ぐ次に亡くなっていく。老境を迎えた男女の戸惑いと奇怪な事件が絡み合う、哀愁味溢れる怪奇譚。宮部みゆきを彷彿させるような一味違った宇江佐真理を知ることが出来た。
2020/07/30
tengen
隠居した料理茶屋平野屋の清兵衛はその寂しさも相まって死がとても恐ろしい。友の蠟燭屋伊勢屋の甚助が参加する話の会に参加する。それは本当にあった怖い話だけを披露するという奇妙な会であった。 そして話だけでなく恐ろしい出来事が… ☆彡宮部さんの百物語とつい比べてしまうが、ここは宇江佐さんならでは。
2018/06/26
keiトモニ
首ふり地蔵で反町が言う“一人は酔ってどぶに嵌って溺れ死に、一人は女の別れ話のもつれで、刺されたんですよ”➤私の勤務会社に、これと同じようなのがいましたよ。1人は退職後でしたが。“利兵衛は妻の13回忌を失念していた…それが龍野屋の不振の理由ならば清兵衛は恐ろしいと思う。祖先は死んでもなお、子孫に影響を与えるものなのか…一人の人間がこの世に存在するためには三千数百人の先祖が必要と…”☚だからこそ毎月のお墓詣りは要るんです。で私もおはんお師匠と同じく、大根の太る音なんて聞いたことがないな…寂滅為楽と響くなり…。
2017/05/09
感想・レビューをもっと見る