昭和史と私 (文春文庫 は 23-1)
昭和史と私 (文春文庫 は 23-1) / 感想・レビュー
アメヲトコ
ドイツ史研究者で元東大総長であった林健太郎氏が、自らの人生を昭和史の動きと重ねながら語った一冊。自叙伝というのは読解に留意が要りますが、戦前の一高・東京帝大の雰囲気や、本書のハイライトでもある全共闘からの軟禁顚末などは極めて面白く読みました。著者の歴史観はマルクス主義的な唯物史観とは異なり、人間の意志の力を重視するもので、それは全共闘との対峙にみられるような著者自身の強靱な精神への信頼と無縁ではないような気がしました。
2017/04/09
あ
うー、昭和史はともかく私の部分があまりないです
2017/09/14
nowhereman134
淡々とした文体だが、なかなか面白い。◆戦時中兵役についたときも優遇され、東大総長を辞めた後の参議院議員時代も「大体において暇だった」となんの衒いもなく書いているところが(皮肉ではなく)著者の人間性を表していると思った。◆マルクス主義を信望していた時代の自分の内面もオブラートに包むことなく淡々と正直に書かれています。◆東大紛争の文学部長として軟禁されたところの描写は、他のところと違って、少し「熱い」ものを感じた。
2012/11/06
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