満洲鉄道まぼろし旅行 (文春文庫 か 29-1)
満洲鉄道まぼろし旅行 (文春文庫 か 29-1) / 感想・レビュー
misui
多数の資料で構成された満州架空旅行記。満州には前々から興味があったのでまずは観光客気分でアウトラインを確認する感じです。小澤征爾が板垣征四郎と石原莞爾から一字ずつもらって命名されてその甥が小沢健二とか、自分も両祖父が満州にいましたけど、わりと今に繋がってるよな~。
2024/09/26
さっと
ステイホームがさけばれるようになってから意識的に紀行モノを読むようになっていたがついに満鉄まできたw満州国は政治的歴史的こだわりから離れて軽々しく語れるものではないけれど、昭和12年の実際の記録をもとにして著者が案内人となって豊富な資料で追体験してみせる「まぼろし旅行」という趣向はそうした肩の力を抜いてくれる実に庶民的なものだ。大陸の第一歩目となる大連ではいまの空港ターミナルにも通じる出発・到着のフロア分けした駅など初っ端から驚くことばかり。国の成り立ちや開拓団などは随所にコラムを散りばめフォロー。良書。
2020/07/31
Jun Shino
昭和十二年八月の、満州旅行。実際に行った人の資料をもとに再構成したもの。夢の世界に、現実を垣間見る。 大連に上陸、旅順→撫順→奉天→新京→吉林→哈爾濱→齊齊哈爾→満州里と旅する。旅は案内人のおじさんと、サツキくん、ヤヨイちゃんという少年少女。 当時の建築物や観光名所、夜の街も紹介されている。基本的に時制は昭和十二年。現代の読者を意識しつつも説明しすぎずトントンと進む。壮大な実験国家満州国の歪みも織り込まれている。にしても全てが大きい。大陸に夢をかけた人は確かにいたのだろう。まぼろし、の意味が胸に迫った。
2020/05/11
Masakazu Fujino
「満洲国」には、「国籍法」がなく、「国民」がいなかった。 満洲国籍を取得する条件や制度を決めることが出来なかったのだ。満洲国内にたくさんいる日本人の国籍をどうするかに結論が出なかったためだそうである。ここにも、「満洲国」のキメラの実体が現れている。まさに幻の「満洲国」だったんだな。
2015/12/05
Tom Ham
読了。ブックオフで購入。満鉄は『海賊とよばれた男』や『中原の虹』などを読んでると興味が出てくる。そこでたまたま105円で見つけてしまいました。面白いです。ホントに満鉄に乗って旅がしたくなります。ホントに昭和12年8月に満州旅行をした日本人旅行者の保存していた資料を基にしており、また写真が多く掲載されてます。一気読みでした!
2013/05/05
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