正しい乙女になるために それいぬ (文春文庫PLUS 50-4)
正しい乙女になるために それいぬ (文春文庫PLUS 50-4) / 感想・レビュー
井月 奎(いづき けい)
「パンク」が鋲つきのジャケットに身を包み、唇と耳たぶをなぜか鎖でつなぐ若者をあらわすのと同時に、自分を含む現状に満足しない人間のことでもあるように、この本で著者がいう「乙女」とは三つ編みを「きゅっ」と音がするほど固く結び、制服を生徒手帳に書いてある通りに着る女の子を表しつつも、欲しいものには猪突猛進、周りの迷惑もなんのその、自分が綺麗だと信じたもののためには友人知人も関係ない。そんな固い意思を持つ人のことでもあります。脳内お花畑であるワタクシ(自覚はあるのですよ)、読みつつうなずくこと数十回、でした。
2016/04/30
りりす
読メ登録以前に読んだ本。最初から最後まで通して読むのは、初めて読んだ時以来かもしれません。当時(5、6年前?)を振り返って読んでいました。読解力も幾分マシになったようで。改めて思ったのは、野ばらちゃんの作品でこのエッセイは理化学的ロマンチックに書かれているということ(鉱物、アンドロメダ、ミクロ…)。多分災害時にこれだけ持ち出すであろう特別な本であるだけに、下手に語ることが出来ずに、こんな事しか書け無いのが残念です。次この本を通して読むとき、私は今と変わっていないでしょうきっと(核はね)。
2015/01/19
skellig@topsy-turvy
野ばらさんの一番最初のエッセイ集ということで、きりっとした文章に心なしか背筋を正して読む。1つ1つは短いけれど、お化粧に恋愛に品性にお洋服と、硬質乙女ワールド全開。
2014/10/05
miki
乙女とは奥ゆかしいものですわ。意地が悪くて耽美主義、品性と堕落の狭間にぽっかり浮いた不可侵性。とってもおかしゅうございました。特に「乙女と性欲」「ファンの心」「努力と根性」なんて感心しきり。なんて狭いお心をお持ちでしょう。だから乙女は食えないわ。
2014/02/07
紅
再読。高校時代にこのエッセイに出逢い、作者の目的通り人生を狂わせられました。しかし読んでもあの頃ほど胸を打たなくなったのは私が大人になりつつあるのでしょうか、残念です。とはいえ野ばら作品ではこれが断トツ好きなことに変わりはありません。世界観、文章、思想、全部好き!
2011/10/10
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