死者を侮るなかれ (文春文庫 テ 12-2)
死者を侮るなかれ (文春文庫 テ 12-2) / 感想・レビュー
ぽてち
テランの2作目。『音もなく少女は』以降の作品はハズレがなかったが、デビュー作の『神は銃弾』も本書も、ハズレではないが好みではなかった。理由は単純で“暴力的すぎる”から。昔はこの手の話が大好きだったのだが……。誤解のないように書いておくが、好みではないがおもしろかった。ジャンキーな母親に支配される娘、罠にはめられ死にかけた男、広場恐怖症のジャーナリストなど、魅力的なキャラクターたちが活躍(?)する。
2021/03/17
ケイ
最後の最後、二人は逃げ切ったんですよね。最後の数十ページは二つの話が同時に進んで、二つのシーンが切り替わるさ様が映画のように浮かんできました。それにしても、あそこまでしないと、恨みの落とし前はつけられないものでしょうか。
2012/03/18
あおさわ
不当に罪をなすりつけられ、殺されかけた刑事の復讐譚。ディーの生きざま、ディーの支配から逃れようとするシェイのあがきが息苦しくも、目を離させない。 ヴィクを殺し損ねた母娘、ごまかしそこねたバージェスやイングラントたち、ディーの言葉でしたが本当に「死者を侮るなかれ」です。ラストの死闘は激しいの一言。
2012/01/14
vertigo
「神は銃弾」より一層の散文詩調、簡単な構図を複雑化させるキャラクター造形。ものすごく読みづらかったんで単純に面白いとはいえない、のだけど最後の「死闘」がすごいことになってたのと女性描写のフェアさに痺れたので到底嫌いになれそうもない。地点も視点も自在に動き回るので混乱しながらも、凄まじい迫力に持っていかれる。そこからの情念が一気に浄化されていく美しいエピローグの流れが白眉。“過去は変化し続ける”は名ライン。
2011/03/24
chobi
ぽちぽちと読み進めて読了。ぽちぽちゆっくり読み進めたために、話の輪郭が前の方から、ぽやぽやになり、なにが起きていたかをぼんやりしとしか思い出せないという読書になっちまいましたが、カッコいいセリフを一つ。 「過去はおれたちのまわりで常に変化してる。そんな過去に自分を所有させちゃいけないよ。」一度殺された…と思われた男が生還して、復讐に燃える…はずだったのに、その男がこのセリフを言うという物語。
2018/06/28
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