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9・11倶楽部 (文春文庫 は 25-6)

9・11倶楽部 (文春文庫 は 25-6)

9・11倶楽部 (文春文庫 は 25-6)

作家
馳星周
出版社
文藝春秋
発売日
2011-06-10
ISBN
9784167664060
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9・11倶楽部 (文春文庫 は 25-6) / 感想・レビュー

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Tetchy

救急救命士の織田が親を祖国へ強制送還され、自分たちだけの力で生きていかざるをえなかった不法就労者の残留児たちの境遇に義憤を感じ、東京都知事にケンカを売る。今までの馳作品と違い、犯罪を扱いながらも織田と孤児たちの温まる交流が描かれる。馳流大家族ドラマといった趣だ。織田の執着に疑問を感じるが、これは家族を守ろうとする一人の男の愛の強さを描いた物語だ。しかし馳氏の手に掛るとその愛の強さはテロをも生む。安定した生活を擲って家族のために犯罪に手を染めていく不器用で愚直な織田に、どこか昭和の男の香りを感じてしまった。

2013/11/30

ねこまんま

何とも切ないお話。 真面目な男が頑ななゆえに修正するすべを知らず、間違った方向に突っ走ってしまう。 無戸籍の子供たちは可愛そうだと思うけど、逆恨みには違いないしなあ。 新宿の雑踏の中、息をひそめて疑似家族を形成して生きている子供たちの濃密な空気が苦しいほどに伝わってきます。 孤独に耐えられなくなった男は、彼らを助けたいと思い、同時に彼らに助けられていたんだろうな。 馳星周の本領発揮、ノワールな世界でした。 大満足。

2015/12/06

そうたそ

★★☆☆☆ 救命救急士の織田は路上で倒れていた少女を助けたことをきっかけに、親を中国に強制送還された戸籍なき子どもたちと行動を共にすることになり――。馳作品にしてはノワール色が少なく、個人的なイメージとしてはIWGPを思い浮かべてしまうような内容だった。馳作品の主人公にはどこか人間の汚さとか弱さが感じられるのだが、本作の主人公は犯罪に手を染めてはいるものの、直向な善意、まっすぐさが感じられ期待するような馳作品ならではの面白みに欠ける。子ども達を救うに至る心情の変化も唐突過ぎて理解し難いしいまいち。

2017/10/19

GORIRA800

新宿の外国の孤児など自分の知らない世界を知れた 救命士という人を救う立場の人間が外国人の家族を思うあまり犯罪に関わっていく展開は苦々しかった 職場で外国人と関わる時、自身の行動によって相手の暮らしに関わるという使命感のようなものを持つんですがこの気持ちとは比べ物にならない複雑な重い気持ちが主人公にはあったんだろうなあ

2021/02/05

カーンズ

救命士織田と戸籍のない中国人の子供らと絆を深めながら復讐に突き進むストーリー。 初めは設定がどうかなと思ってたが後半の疾走感で最後は一気読み。 有り得ない事だけど絆の強さが残ったな~。話題の馳さんおもしろい!

2020/09/25

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