東京江戸歩き (文春文庫 や 29-12)
東京江戸歩き (文春文庫 や 29-12) / 感想・レビュー
saga
著者が高知から上京して東京暮らしを始めた頃の話題が中心のエッセイ。全体的に江戸を彷彿とさせるような描写はなく、『ALWAYS 三丁目の夕日』に出てくるような古き良き昭和の情景が目に浮かぶ。住み込みで新聞配達をしながら高校に通い、高卒後は就職、転職を経験する中で歩いた東京の風景だ。勝鬨橋が開くのは最早CGでしか見られず(プレボスCM)、江戸は言うに及ばず昭和の街も変わっていってしまうのだ。
2016/10/18
シュラフ
山本一力の本を読むときは居住まいを正して気合いを入れなければならない。寝そべりながら読んでいたら怒鳴られそうである。この本も東京の街に関するエッセイなのだが、「いまの世の中、ぬるいことだらけだ・・・」と出だしから一発かまされる。この人の団塊世代特有のアクの強さには正直のところ辟易とするところも多いのだが、土佐人らしい真っ直ぐな生きざまには学ぶべきが多いのもたしかである。そんな山本一力が青春の思い出と絡めて東京の街について語る一冊。一生懸命に生きてきたから思い出がある。ふと自分はどうだろうかと考えてしまう。
2015/09/13
マカロニ マカロン
個人の感想です:B。著者は時代小説作家で、2002年に『あかね空』で直木賞を受賞しているそうだが、私は未読。著者は高知県出身で、1962年に中卒で上京し、新聞販売店で住み込みの就職を始めた。(まるで『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界のようだ) 新聞店は渋谷区富ヶ谷にあり(今は安倍総理の自宅もある高級住宅地)、そこから電車や配達用の自転車に乗ってオリンピック前の東京を見て歩いた様子が綴られている。小学生の頃、高知のラジオで聞いた浪曲を頼りに神田に出かけ、鮨屋を探す話がほのぼのとして心に残った。
2016/10/31
riko
★★★★☆
2023/05/27
つちのこ
高知から東京に出て、新聞配達をしながらの生活については多くの作品に書いているが、著者のエッセイはいずれも面白いのでつい手に取ってしまう。(2009.11記)
2009/11/29
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