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心では重すぎる 下 文春文庫

心では重すぎる 下 文春文庫

心では重すぎる 下 文春文庫

作家
大沢在昌
出版社
文藝春秋
発売日
2004-01-10
ISBN
9784167676025
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心では重すぎる 下 文春文庫 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

下巻をなんとか読了しました。う~ん…まさにある意味、タイトル通り間違いなく‘重い’です。途中、何度か挫折しかけましたが、意地?でフィニッシュしました。大沢先生の作品は比較的、いい意味で短めの会話が多く、その会話のリズムや雰囲気が心地よく、物語の流れも同様にテンポよくサクサク読めるのですが、残念ながら今作品はちょっと違いましたね。内容の発端から顛末まで、こんなにページ数必要としなきゃならなかったのかなぁと感じてしまいました。結局、最後は正直、読後感についてはやっぱり‘重すぎる’感だけが残ってしまいました。

2013/07/15

えみ

口を守る瓶の如くす。とはこんな状態なのかもしれない。探偵続けたければ…否、命永らえたければ言葉は慎み、秘密は守っていかなければならない。体か心か。恐怖を植え付けるにはどちらを痛めつけるのが効果的なのだろう。大きな情報、人の生活を嗅ぎまわるならばそれ相応の覚悟で臨むべし。事の初めは消えた漫画家捜しだった佐久間だが、思いもよらぬ繋がりから薬物、自殺、暴力団組織の思惑、そして宗教と怨毒少女の存在による厄難が降りかかる。みんなそれぞれ死んでいる。狂い歪んでそれを知っている。だからややこしい。が、そこが面白い!

2021/08/13

ヨーコ・オクダ

いつの時代でも「近頃の若いもんは…」なんて年寄りは決まって言うんやろうけど、主人公・佐久間はそれよりもっと大きな世代の隔たりを感じたみたい。話が通じない、やり方が通じない、常識が違う。メインストーリーである漫画家、ヤクザ、クスリ、宗教云々の絡んだ事件が進む中で「これしかやり方をしらない」みたいなことを言うては、度々危ない道を選択する。で、結局それでヒントが得られたり、都合よく誰かが助けてくれたりするんやけど、ホンマに世代が交代した時、彼は生き残られへんのやろねー。そうなる前に引退するか、殉職か。。。

2016/10/09

きょちょ

作者が日本の現代・世相に対して読者に言いたいことを、主人公に代弁させているのは明らかだ。特に「若者論」。平成10年頃の作品らしいが、納得させるものがある。しかし、そういった「若者」ばかりでもあるまい。時代がそうさせている、大人がそうさせていると言っているが、いつの時代でも、現象は異なるけれど、実は一緒なのかもしれない。それを踏まえて作者は書いていると思う。その「若者論」を超越した「女王様」錦織令の行動の深層が、作者の言いたかったことの本当の1つでは。後半スリリングになるし、結末二転三転。面白い。★★★★★

2015/10/07

rokubrain

仕事に対する考え、哲学をどう持つか? 大量消費されるマンガ作家の才能と生き残るための実態は? 薬物依存の更生施設で、親切や やさしさにどういう意味があるのか?そこで現れた謎の女子高生と薬物依存者たち。彼の周辺で起こる、いや時に起こす出来事が次第に一つの流れがあることを発見する。 背後で糸を引く暴力団や自己開発セミナー、新興宗教、マネーロンダリングの病院など負の社会問題があぶりだされてきた。 好奇心をぐいぐい引っ張っていく筆力と作家の想像力がすばらしい。 それが実感できる作品でした。

2018/12/08

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