ミカ! (文春文庫)
ミカ! (文春文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
そりゃーもう、このタイトル、読まずにはおれませんでしょう(笑)主人公目線かと思えば、なんと彼女とはふたごの「ユウスケ」の一人称。子ども目線が苦手なわたしだけれど、これにはすんなり移入できた…のは、伊藤さんが子どもにもちゃんとまっとうな思考をさせているからでしょう。わたし自身、4人組でツルんでいた当時を思い出して、いろいろキュンキュンしました。「子どもには幸せになる権利がある。正確には子どもだけじゃなく、みんなその権利を持っている。ただ持ってるってことを知らないだけ」続編を合わせて購入したわたしは勝ち組♪
2018/11/18
おしゃべりメガネ
『小学館児童出版文化賞』受賞作品というのも頷ける痛快かつほっこりする作風でした。小6の男女の双子「ミカ」と「ユウスケ」の思春期をくぐりながら、成長のひとコマを描いてます。元気いっぱいで男勝りの「ミカ」と対称的に穏やかで優しさいっぱいの「ユウスケ」、しかし二人は本当にとても仲良しでお互いを気遣う雰囲気がほっこりします。年頃にありがちな異性を意識するくだりは懐かしさを感じ、特に「ミカ」の乙女ゴコロの描写は、女子特有のものかもしれませんね。西加奈子さんの『円卓』に通じる関西カラー痛快アットホームな作品でした。
2016/02/07
ヴェネツィア
小学校6年生で双子のミカとユウスケの物語。ケンカも強くて活発なミカと、大人しいユウスケ。物語はユウスケの一人称で語り進められてゆく。家には父親とお姉ちゃん。離婚寸前の両親といった設定。伊藤たかみは、先に芥川賞受賞作の『八月の路上に捨てる』を読んでいたので、なんだかイメージが違う。この設定は、まるで長嶋有の小説だ(解説は偶然にも?長嶋有)。ユウスケを通して描かれるミカは、とっても魅力的だ。「オトコオンナ」から、少女になってゆくミカの戸惑いの表現もうまい。これは、なかなか得難くフレッシュなジュブナイル小説だ。
2013/05/14
papako
はまってる伊藤たかみ作品。小学6年生の双子、ミカとユウスケ。親の離婚、姉との別居、淡い恋心、それでもお腹は減るし、おっぱいは大きくなる。女の子を持て余し気味のミカ、身体の成長と心がうまくいかない。そんな彼女の前に謎のオトトイが!それは彼女達の言葉にならないもやもやの具現化したものだったのかな。大きく何かが起こるわけじゃないけど、なんか良かった。続編も楽しみ。
2018/06/23
なゆ
いやー、小学生6年生の話ってやっぱ甘酸っぱい!カラダもココロも、どんどん変化するのを戸惑うお年頃。なのに両親は別居中で不安はつきない。「アタシは間違ってオンナに生まれてきたんや」と信じて疑わないミカと、そんなミカに振り回されながらも見守るユウスケは双子の兄妹。近所の団地のベランダの下で見つけた不思議ないきもの“オトトイ”と触れ合いながら過ごした小6の夏。好きという感情がよくわからなくてワチャワチャする感じがなんだか懐かしくて、きゅぅぅ〜んとなる。この後の『ミカ✕ミカ!』が控えてるので、二人の成長が楽しみ!
2020/12/28
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