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凍るタナトス (文春文庫 つ 13-1)

凍るタナトス (文春文庫 つ 13-1)

凍るタナトス (文春文庫 つ 13-1)

作家
柄刀一
出版社
文藝春秋
発売日
2006-01-11
ISBN
9784167679736
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凍るタナトス (文春文庫 つ 13-1) / 感想・レビュー

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セウテス

クライオニクスという遺体を特殊冷凍保存をして、何百年後の未来の先進技術によって、新たな生命を得る事を目的とした活動が、許可された近未来が舞台です。よって病気で苦しむ位なら早く冷凍保存された方が楽、という考え方が生まれて来ます。その為に金で手を貸す手配師なる、安楽死請け負い人が暗躍する世界なのです。ミステリーでは、厳重に管理された保存室から、冷凍保存の頭が壊されるという密室事件が起きます。しかし、未来において死を乗り越える科学技術が出来たとして、過去から来た者達を救う為に予算が組まれる筈は無いと思いますが。

2016/04/23

ちょく

これは正直に言ってつまらなかった。SF作品として、iPS細胞以前の発想としては評価しても良いのかもしれないが、ミステリとしては冗長的で面白くなかった。家族との関係性や衝撃的な展開も、SF設定のおかげで特段の感慨も湧かない。また最も重要なトリックは、自分の想像力の欠乏ゆえかもしれないが、全く頭に入ってこなかったので、明かされても「ふーん」としか思えず。塚頭さんは好きな作家さんだけに非常に残念。

2015/11/11

Hiroshi

面白かった♪死後の冷凍保存とミステリーが上手く組み合わさってて設定と世界観の見せ方が上手く読み易い。

2016/10/16

小物M2

死後に遺体を冷凍保存し未来に託すという「ifの迷宮」路線の作品。しかし、そちらに比べると完成度は落ちると言わざるを得ない。いろいろと話を詰め込みすぎてうまく収束できなかった印象が強い。特に、手配師の存在は物語から浮いていると思う。確かに手配師がいたからこそ、この衝撃的なラストが光るのだが……。ミステリとしては良くできているだけに勿体無い。トリックはクライオニクスという設定を巧く活かしており、それがミスリードとしても機能しているのが秀逸。まあ不満もあるが「21世紀本格」の力作であることには間違いない。

2013/01/05

とんぼ

星新一の「沈滞の時代」を思い出した。すごく印象的な作品ではあるけど、結末にかけての辺りは尻すぼみというか、あんまり盛り上がんなかったな。なんかうやむやで終わった感じ。とにかくクライオニクスという設定が光る作品だった。そういう技術が現実に確立し、法律的にも実現したとき、自分ならどうするか。ミステリ的な面より、その辺りのそれぞれの人物たちの考え方や思惑が面白い。私は未来の世界に興味はあるけど、生き返りたいとまでは思わないな。人生なんぞ一度で十分だよ。

2010/09/01

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