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子どもは判ってくれない (文春文庫 う 19-1)

子どもは判ってくれない (文春文庫 う 19-1)

子どもは判ってくれない (文春文庫 う 19-1)

作家
内田樹
出版社
文藝春秋
発売日
2006-06-09
ISBN
9784167679910
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子どもは判ってくれない (文春文庫 う 19-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

内田樹氏は「あとがき」で、書いたものの価値を定量するに際して「ある程度の期間読むに堪えうる」ことが重要な指標だと語っている。本書の元になったエッセイが発表されたのが'01年~'03年なので、もう10数年も前ということになるが、今これを読んでも十分に今日的だ。例えば改憲の問題などは、このままでもあたかも今語られたかのごとくに鮮度を失っていない。本書の全体で著者が試みたのは「大人の思考と行動」とはどういうものなのかを若者たちに語ったもの。要は、思考する方法について、懇切丁寧な解説がなされているということだ。

2015/08/21

おさむ

①「現実が複雑であるときは、話も複雑にするのがことの筋道というものである」。これだけ現代社会が複雑化しているのに、簡単な話ばかりがもてはやされているのは、どこかおかしいですね。②「どんな場所でもそこで獲得できる社会的リソースは、そこで過ごした時間の密度とそこに投じた努力の対価である」。他人にこきつかわれずに済むには地道な努力の積み重ねしかないんですね。③「人間は自身の主張に馴染まない情報を排除して都合のいい情報だけを集め、総じて客観的判断のつもりで主観的願望を語る生き物」。この事実を常に意識したいもの。

2016/01/08

ネギっ子gen

多くはブログ「内田樹の研究室」から。「たいへんに長いまえがき」に、<私がやろうとしているのは、「大人の思考と行動」とはどういうものかについて、「若者たち」に人類学的なリサーチレポートを提出すること/私は「大人の思考と行動の専門家」であるが、それは私自身が「大人って何だろう?」という問いにこだわりがあって、これまで長い間をかけてそれを集中的に研究してきたからである/この本は、そのような『大人文化の専門家』による『敵情視察レポート』としてお若い方々にお読みいただけたらと思う>。解説が橋本治ということで購入。⇒

2022/01/28

たかやん

年末年始で潤ったブックオフの本棚から内田先生の著作を狙い撃ちしたうちの1つ。本書は、「大人の思考と行動」とはどういうものか、をリサーチレポートのように若者へ宛てた1冊。先生の本は今回で7冊目にして、ハッとさせられる一文がそこらに転がっている。「人間は必ずその人が必要とするときに必要とする本に出会う(p55)」とあるだけに、この本自体がそういう気にさせられます。

2018/01/14

ぱなま(さなぎ)

久々に内田さんの本を読みました。わたしが普段採用している考え方に、内田さんから授けられた方向性の指針みたいなものが知らぬ間に影響していたようです。著者自身が意識する通り、題材自体は時勢の要請からくるものであってもそこで提示される枠組自体は普遍的な事柄なので、既存の読者にはすでにおなじみの考え方も多いですが、今回はっとしたのは「娼婦」についての論説。ずっとモヤモヤとしたままで自分の中でも答えが出せずにいたことだけれど、モヤモヤとしたままでもいいのかなと思えることで少し前を向けるようにもなるのだな、と。

2016/11/04

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