神のふたつの貌 (文春文庫 ぬ 1-1)
神のふたつの貌 (文春文庫 ぬ 1-1) / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
三代に渡り“牧師”という聖職に就いた親子。神の意思、神の愛、その絶対的なる存在への信仰に対し真理を追究せんと煩悶しながらも、それら全てに納得のゆく解を得られないまま事件が引き起こされてゆく。人が感じる幸不幸は、生まれる前の神との契約で定められたものでありそれ故、人は生まれながらに神の愛を平等に受けているという。だが、信仰心のない私にとっては全て己の現状を納得させるための詭弁に過ぎないのではないかというのが正直なところだ。信仰は自由であり否定はしないし、何かを信じることで救われるならそれに越したことはない→
2015/10/10
ワレモコウ
代々牧師の家庭で育った男たち。神への道を極めたいがために、少しずつ道を外れていく。貫井さんらしい手法で、三部に分かれて描かれている。キリスト教とは無縁に育ったので、前半、特に第一部あたりはとても読みにくかった。それにしても、この作品は感想が書きにくい。読後感も重たい作品だった。
2022/02/27
ミッフー
後味感最悪ってのが病みつきになる貫井さん🤪かなり以前に読トモさんからおススメと紹介された同本を本屋で見つけての衝動買い❗️三部で構成されてるが、三部目を読んでる途中で「あれれ、おかしいぞ⁉️」父子共に学生時代コンビニでバイトしてオーナー息子を殺めて❓オーナー息子の名前が同じゃん❗️貫井さん書いてる途中そのミスに気付かなかった⁉️💦いやいや、そこに隠されたtrickが潜んでます❗️二部を振り返ってみると名字しか…この辺で止めておかないとネタバレになってしまうわな😜名作「慟哭」にも似た面白さでした✌️
2022/01/18
えみ
おもわず身震いした。圧倒される愚かな誠実、罪に呼応する神の福音。神父が神父であるが故の煩悶懊悩に眩暈がしそう。こんな救いがあって良いのか、こんな罰があってはいけないのか…痛みを凌駕するほどの孤独の深淵に神の意味を見出そうとする切実な祈りは、やがて耐えがたき闇を生む。神父の子、そして神父。神と共にあるはずの聖職者が神を疑い、そして理解するとき、驚愕の悲劇を目の当たりにする事となる。21世紀の「罪と罰」、これほどこの小説に当て嵌まる言葉、他に知らない。絶対読んでとは思わないが、読まないのは惜しいと思う一冊。
2022/04/01
ゆか
いつもの貫井作品と同じように、読んでいると深みにハマっていく。何冊か読んでいると作者と目論見が垣間見れたりするけど、やっぱり最後はなるほどね〜と思わせる。今回は牧師一家の話。人を助ける側の牧師は誰に助けられてるのか、本当に信じれば救いはあるのか、ならばなぜこの世には争いがあるのかという若干哲学的な内容なので、好き嫌いが大きく分かれそう。少しぞくっとするお話でした。
2018/09/05
感想・レビューをもっと見る