夜想 (文春文庫 ぬ 1-3)
夜想 (文春文庫 ぬ 1-3) / 感想・レビュー
ミカママ
5年くらい前かな、『慟哭』を読んで、貫井さんの宗教観にえらく惹かれたので、Twitterでつぶやいたところ、ご本人からお返事いただいて。彼の宗教観を知るもうひとつの作品、ということで勧められてずっと気になっていた作品。うーむ、新興宗教ってこうやってつくられるのだね。みんな寂しいし、救われてないし、私にはやっぱり遠すぎる存在。ラストは、一応明るい、とみるべきなんだろうか。貫井さんの力が込められた作品だと思う。一気読みしてしまってごめんなさい。
2015/08/31
とん大西
交通事故で妻子を亡くした雪藤。世界が暗転するかのような喪失感。そして訪れた果てしない孤独。悲しみを悲しみとすら自覚できない揺らぐ感情。生きていくのが辛い、救われたい-傷心の雪藤と不思議な力をもつ遥との出会い。展開面に少々戸惑ったものの、何故か不思議と読むのがやめられない。ひたすら苦く、モヤモヤするが…。嫌な部分もひっくるめて雪藤の心情がストレートに響いてくる。夜の闇の中でのたうちまわる孤独。-克服できない悲しみもある。悲しいのは悲しいままでもいい。…私もそう思います。人生は『喜怒哀楽』でワンセットかも。
2018/11/06
青葉麒麟
読むのにえらく時間が掛かってしまった(>_<)ダラダラ続いてる感じがした。遥はどんだけ美人なんだろう。
2012/10/03
chiru
幼い娘と妻を事故で失い、ひとり助かってしまったことに苦しむ主人公。 若い女性にかけられた『かわいそう』という言葉と涙をきっかけに、主人公に変化が生じていく。 新興宗教を組織化していく様が描かれ、信じたり、応援したいという純粋な気持ちが利用されてしまう。 まさかの展開には唖然としましたが、希望を感じるラストにほっとしました。 ★3
2018/02/16
キムチ
貫井さん、最近惹かれる。幻想とリアルのはざまをゆらゆらする世界を描かせると秀逸。読者は今ある其処がわからず、混沌とした中ですとんと落とされる。その彼方、今回は良かった。妻と子を目の前でなすすべもなく失った雪籐。北條メンタルCrで加療中?ある日、並以上の能力を持つ女子大生遙と出会い、思いがけない方向へことが進む。同時進行する嘉子の世界。そこがどうクロスするかもぞもぞと頁をめくる。新興宗教の話といえばそれまでだが更なる深みを感じた。青い鳥は自分で探さなきゃいけないんだよ。
2015/06/18
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