空白の叫び 上 (文春文庫 ぬ 1-4)
空白の叫び 上 (文春文庫 ぬ 1-4) / 感想・レビュー
しんたろー
「貫井さんの代表作!」という感想と読友さんのオススメに触発されて、長編に挑んでみたが・・・中学生の息子を持つ親としては、身につまされる重いストーリー。タイプも環境も違う三人の少年の状況や心情が綿密に書き込まれているので、彼らの葛藤に共感しつつも、危うい言動に先人として大きなお世話をしたくなる。大昔に忘れてしまった思春期のモヤモヤも思い起こされてイライラもするが、先が気になる展開。各々の事情に同情できる部分も多いので、彼らの不幸が最悪にならない事を願いつつ、中巻へ進む。
2017/11/30
あも
著者の本にしては珍しく先に誘う力が弱い。が、つまらない訳では決してない。崩す瞬間を待ち望みながら丁寧に積木を積み上げるような後ろ暗い期待感を煽られる。思春期の苛立ちを拗らせた凡庸なクズ久藤、金持ちで美形で文武両道の葛城、母に捨てられ叔母と暮らす尚彦。接点のない3人の中学生の話が順繰りに描かれる。三者三様じわじわと坂道を転がり、墜落のラストへ。ここで終わっても後味の悪い一つの転落物語として成り立つのではと思うぐらい読み応えがあった。しかしまだ1部が終わったばかり。落ちた先に何があるのか。続刊へと心がはやる。
2018/05/27
nobby
久々の貫井作品なのだけれど、改めて自分の好みであることを再確認。いじめ・エリート・寂しさ、三者三様な背景を抱える少年達が堕ちていく様にのめり込んで読んでいた。何より各々の対象が明らかになってきての後半は痛く辛く切なく…これで1/3、早速中巻へと進みます!
2014/12/03
Tsuyoshi
立場も環境も違う三人の少年がそれぞれ殺人を犯してしまった背景や心境の描写が丁寧に描かれており上巻だけでも一つの作品として十分成り立つ程引き込まれてしまった。三人とも生真面目で自分を追い込んでしまった中で衝動的に犯罪に至ってしまっており、同情できる部分も少なくない。中巻を読んでいきます。
2017/11/13
tengen
小学生時代いじめにあっていたが今やいじめる側に立ったごく普通の家庭で育った久藤美也、容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能と完璧とも言える恵まれた裕福な家庭の葛城拓馬、父亡く母に捨てられ祖母叔母に育てられるも健気に真っ直ぐ育った貧しい家庭の神原尚彦。3人の中学生が迎える悲しい運命。だが、物語はまだ始まったばかり…☆彡続きを読む手が震える。
2016/11/20
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