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夢は荒れ地を (文春文庫 ふ 23-2)

夢は荒れ地を (文春文庫 ふ 23-2)

夢は荒れ地を (文春文庫 ふ 23-2)

作家
船戸与一
出版社
文藝春秋
発売日
2006-06-09
ISBN
9784167683023
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夢は荒れ地を (文春文庫 ふ 23-2) / 感想・レビュー

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goro@80.7

命は地球より重いって言われることもあるのだろうけどここでは米粒より軽い。これが現実なんだろうなぁ。地雷除去をも食い物にされて弱者は弱者のままで頭が腐っていればなんでもお構いなしの非情な世界。カンボジアだけじゃなくて世界中で起こっているんじゃないのか。失踪した元自衛官越路をさがしにきた楢本が直面する現実。貧困スパイラルに供出される子供たちの末路に群がる大人たちの汚さ。暴力には暴力、義務としての暴力を肯定しなければ生きていけない。光はあると信じたい。やっぱりガツンと船戸与一です。

2024/03/22

まさ

連休中にゆっくり読もうと思っていたのに、780頁の文量が気にならない程の一気読みでした。カンボジアを舞台とした様々な問題。人身売買や売春、地雷問題、政治や社会そのものも。決してその国だけの問題ではない。物語ではそれぞれの目的を持つ人たちのタフな動きが際立り、それぞれの発する言葉から考えねばならないことが巡った。クメール人の諺――あまりにも長いあいだ影を視ている人間は影そのものになってしまう――カンボジアの強い陽射しでできるくっきりとした影こそクメールの深い闇。やるせない結末だが知っておきたいことでもある。

2020/05/05

Åκ

カンボジアの闇、少女達の人身売買。自衛官の楢本が、元同僚の越路を探して踏み入れた世界はとてつもなく深い闇だった。識字率向上のために、必死にボランティア活動を行ってきた丹波。彼もまた、カンボジアの闇に足を捕まれた一人。政治も軍も警察も、全てが腐敗しているなかで、いきる目的を探す登場人物達。真っ赤な朝日に照らされて、カンボジアの未来は輝くのか。多くの矛盾の中を駆け巡るダークハードストーリーでした。

2020/07/25

ちゃま坊

ポルポト以後のカンボジアが舞台。売春と人身売買の組織と戦う日本人。フィクションだがカンボジアの歴史と地理を知る事ができた。

2015/11/26

almami

船戸与一さんの作品のなかでは一番好きです。

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