KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

還るべき場所 (文春文庫 さ 41-3)

還るべき場所 (文春文庫 さ 41-3)

還るべき場所 (文春文庫 さ 41-3)

作家
笹本稜平
出版社
文藝春秋
発売日
2011-06-10
ISBN
9784167684037
amazonで購入する

還るべき場所 (文春文庫 さ 41-3) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

600ページにわたって、緊張感を持続させる筆者の力量は見事。一気に読んだ。読む以前は、ヒマラヤ登山者としてはヒラリーとメスナーくらいしか知らなかったが、昨今では随分と色々なタイプのアタックがあることも知った。また、筆者のアルピニズムに対する調査力にも感嘆したし、その結果としてのカラコルム山群の臨場感も圧倒的だ。

2012/03/17

chimako

「…夜は死の匂いのする吐息を荒々しく吹き付けて、垂直の極地への侵入者を黄泉へ追いやろうする…」ヒマヤラヘノ商業登山に同行した主人公翔平。突然のブリザードで遭難した別パーティの救助に向かうさなかの描写である。これでもかと襲いかかる試練に必死で立ち向かう姿に手を握りしめ息を詰めて、此方も必死にしがみつく。日頃は使わない「がんばれ」が思わず口をつく。かつてK2の東壁で自らロープを切り翔平を助けた最愛の人。その声を聞きながらルートを探る。なぜ山に登るのか…永遠の問に答はあるのだろうか。入れ込んだ1冊となった。

2016/09/02

miww

ヒマラヤやエベレストくらいは知っているがK2ってなに?というレベルの私が初めて読んだ本格山岳小説は過酷な8000メートル級の登山がどんなものかを見せつけてくれた。K2登頂中の事故で恋人を失った翔平、生きることを実感するために8000メートル越えの山に挑む還暦を過ぎた企業家神津、同行する竹原、イクパル、キースたちが織りなす人間ドラマ。後半、次々と襲いかかる自然の猛威にドキドキしながら、最後まで絶望せず生きて帰るために全力を尽くす登山家たちの絆に感動した。

2017/03/03

ポルトン

世界最高峰のエベレストに継ぎ、二番目に高い山K2。最も登頂が難しいキラーマウンテンとして知られています。本作はそのK2、並びに同じくカラコルム山脈のブロードピークを舞台にした山岳小説。 終了点=山頂というアルパインクライミングにスポットを当てた作品。物語は所々に仕掛けが施されており長編であるにもかかわらず読むものを退屈させずに進んでいき、後半に向けてどんどん盛り上がっていく。終盤の息詰まる展開と「そう来たか!」と思わず言っちゃいそうなラスト…。 清々しい読後感の秀作でした♪ 山好きの方には特にオススメ。

2019/09/13

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

読友さんの感想を読んで初めて手にした笹本さんの作品。良かったです。600p以上もある大作ですが、そんなことを微塵も感じさせない上質な山岳小説でした。最愛のパートナー聖美をヒマラヤK2で失った翔平、失意を断ち切り前進するために公募登山のスタッフとしてヒマラヤのブロードピークに向かいます。そこには、山への色々な想いをのせた人々が集まります。後半突然の悪天候の中、8000mでの決死の行軍は手に汗握る展開。そして終章にはうるっときました。★★★★

2014/02/22

感想・レビューをもっと見る