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骨の記憶 (文春文庫 に 14-2)

骨の記憶 (文春文庫 に 14-2)

骨の記憶 (文春文庫 に 14-2)

作家
楡周平
出版社
文藝春秋
発売日
2011-09-10
ISBN
9784167689025
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骨の記憶 (文春文庫 に 14-2) / 感想・レビュー

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財布にジャック

600ページ強の読み応え満点の小説でしたが、久々に人間の嫌な面をたっぷりと見せつけられて、食傷気味です。一郎の人生がこと細かに語られていましたが、弘明や清枝のお話ももう少し描かれていると、より楽しめたのではと思います。それにしても、一郎の東京へ出てからサクセス後の豹変ぶりも嫌でしたが、冬子や清枝にもビックリさせられました。しかし、楡さんを読んだのが初めてなんですが、凄いドラマを考えられる方なんですね。他の作品も気になってきました。

2011/09/27

かんらんしゃ🎡

♪雨がしとしと日曜日僕は~ひとりで~。休みの日の雨はついこんなフレーズが出てしまう。タイガースのモナリザの微笑だ。隠すでもない齢がばれてしまう。★今までの楡氏とは違いミステリー色が強い。清張のように重厚で、寒村で過ごす貧しさは乾いた土の匂いと埃でむせ返る。とてもいい滑り出しだったのに次第に人物が薄くなる。唐突に現れる復讐心と敵愾心。モナリザの微笑がいきなりダリのニヤケ顔になった衝撃だ。心変わりは個性であり人物描写の妙味であるからもっと丁寧に描いてほしかったよ。突然の豪雨に土臭さも流れてしまった。

2019/06/30

Walhalla

「金の卵」と呼ばれた時代に、地方の農村から東京に出てきた主人公ですが、次々と成功を収めていく傍らで、決して人には言えない過去の呪縛に見舞われる様子が悲しいですね。 地位もお金も手にいれた後の結末は、復讐が復讐を招く暗いものとなってしまいましたが、楡周平さんの作品らしく、経済小説のエキスもしっかり含まれていて楽しめました。

2020/07/29

James Hayashi

高度成長期に東北の寒村で貧困に喘ぎ喰うのにも苦労している長男坊が、中卒後集団就職で東京に出、成り上がっていく様子は成功(成長)物語りとして読め興奮を覚えた。商売や経営の話を簡単になおかつ面白く語られるのは著者であるからか。巻頭でのミステリーは中途で判明するが、時代的に成田問題や政治家との利権がらみの行方など、一行一行が面白い。エピローグでは女の復讐と執念を見せられ肝が縮んだ。 これは創作なのかベースになる話があるのか?たぶん本年度ベスト10に入る傑作。著者も好きな作家に格上げ。

2016/01/17

佳乃

初読の作家さんでしたが、タイトルに魅かれて今回やっと読み始めたけれど。厚い・・・と思ったのも束の間、あっという間に読了。罪を犯せば、いつかそれが自分に返ってくる「因果応報」長沢一郎は幸せを掴めたのだろうか。お金があるに越したことはないが、幸せではなかったよね。そしてラストはやっぱりそうなるよね・・・としか言えなかった。清枝からみたこの世界はどうだったのだろうか。

2017/12/07

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