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エロマンガ島の三人 (文春文庫 な 47-4)

エロマンガ島の三人 (文春文庫 な 47-4)

エロマンガ島の三人 (文春文庫 な 47-4)

作家
長嶋有
出版社
文藝春秋
発売日
2010-07-09
ISBN
9784167693046
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エロマンガ島の三人 (文春文庫 な 47-4) / 感想・レビュー

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masa

もしかしたら、物質的には死んでる状態こそが完璧で、生きてる状態は不完全で不安定なのかも知れない。なのに周りは造作もなく安定して生きてるように思えてしまうから、僕は懸命にそういうフリに勤しむ。そうだ、きっと。だから我に返ると恥ずかしいくらいに惨めなんだ。そうに違いない。そういうことにしといてくれ。本当は悩んだところで意味などないとしても、注意深く迷って思い詰めることで何とか日常に馴染んでいける。僕は神経質にしか生きられそうにないから、こんな物語の言霊でバランスを取ろう。なんにもないから、どうにだってなると。

2018/12/09

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「エロマンガ島に行ってエロマンガを読む」というゲーム雑誌のおバカな企画で南太平洋の島へ取材旅行に出かけた三人。ヌルい話だな~と思ったけど、これは伏線。10年後を描いた『青色LED』でじわり感動の波に包まれます。長嶋有氏は初読みでしたが、本の構成の巧みさに唸りました。5篇収録の短篇集で『エロマンガ~』と『青色~』を挟み、SF(著者初のSFとの事)、ゴルフ小説、官能小説とテイストが異なる物語が並び、音楽のコンピレーションアルバムを聴くような読書体験でした。なお〈エロマンガ島取材旅行〉は実際に行われたそうです。

2015/01/11

アマニョッキ

日々の草の根運動のおかげか、読友さんがオブザイヤーの一冊に選んでくれた「エロマンガ島の三人」。今回はウイニング再読でございます(やったー!)。こちら本当に隠れた傑作なのですよ。「ケージ・アンプル・箱」の津田!津田いいなー、津田。箱の意味ね。日本語の妙。そして「アルバトロスの夜」の中尊寺ゆつこからの一気にさいとう・たかを感。まさにカシーン!!いい飛びっ!!「青いLED」なんて、携帯のランプが青く光るだけで十年のブランク表しちゃうんですよ。すごくないすか?もう無二です、無二。オブザイヤーありがとうございます!

2018/12/06

アマニョッキ

きたるべき日に向けて追い込み再読中。 表題作「エロマンガ島の三人」で、「コーラの瓶を窓から捨ててはいけません」と飛びしなに言った日置さんの冗談。その重さと軽さのバランス。それがラストの「青色LED」へと繋がっていく。いいんだな、もうここがとても。「女神の石」のパーラーオリオン、「ケージ、アンプル、箱」の津田と大輔、再読祭中だからこその親近感。そしてボヘミアン・ラプソディ。

2019/07/18

アマニョッキ

読友さんが読んでいるのをみて、いてもたってもいられず再読。すっかり失念していた「青色LED」の内容ですが、「泣かない女はいない」にも出てくるあの魔法の言葉に、我ながらびっくりするぐらい泣いてしまった。そしてこれ、異色短編集だったんですね。今さら納得。(だがあれは官能小説ではないやろ、とツッコミたい!)でもやっぱりこの作品大好きだなー。高橋名人の冒険島も、やつらの足音のバラードも、「コーラの瓶を窓から捨ててはいけません」も、すべてがあのラストには必要なんだな。あーあ、生まれ変わったら絶対男になりたい!

2017/07/02

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