裸 (文春文庫 た 58-1)
裸 (文春文庫 た 58-1) / 感想・レビュー
あじ
大道珠貴は世間の好みを無視して逆走している、孤高の作家だと私は思う。 ◆芥川賞候補作「裸」他2篇収録。のちに「しょぱいドライブ」で受賞。
2018/09/11
湖都
ちょっと冷めた目線の若い女性が主人公の短編集。1番好きなのは『スッポン』。従兄弟や職場の人間などの面倒な言動を冷静に捌いているのが、スッとするし面白い。実際に身近に彼女がいたらうまくやれるかわからないけど。文章は少し読みづらいなと思う時もあったが、ちょっと異質な人間を主人公にして淡々と描く作風は好き。男の人たちが皆肉欲あらわでなんだか汚らしく主人公が見下げているのは、著者の過去の経験からなのか…。
2019/01/31
kozy758
『裸』は読みづらかった。「あたし」の言葉の連発はあまり好きになれない。『スッポン』は人物がよく描かれている。ここでは「わたし」だ。最後の『ゆううつな苺』が一番好きになれた。中学生が「私」で語っていた。「私」も母親もいい感じで絡んでいた。中学生の感受性もよく描かれている。
2015/05/03
ゆっ
大道さんのデビュー作は、もうすでに大道さんらしさ全開でした。息づかいが聞こえてくるので、読んでいて生々しいです。相変わらず私には難しいお話ばかりでした、3編とも。
2015/02/22
深沢商店
芥川賞の「しょっぱいドライブ」を読んだかどうかちゃんと覚えてないけど、大道さんのデビュー作。表題作ふくめ、3つの作品どれも味わいがあって良かった。主人公の女性たちは、いっけん世の中をちゃんと歩めていないよう感じなんだけど、そうじゃなくて自分の世界を生きているということでもあるよな、と思わせる強さがある。あっけらかんとしていながらも、したたかな女性たちが頼もしくて元気になりました。
2013/09/15
感想・レビューをもっと見る