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半島 (文春文庫 ま 19-2)

半島 (文春文庫 ま 19-2)

半島 (文春文庫 ま 19-2)

作家
松浦寿輝
出版社
文藝春秋
発売日
2007-07-10
ISBN
9784167703028
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半島 (文春文庫 ま 19-2) / 感想・レビュー

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GaGa

純文学と言うものは自分といかにピントが合うかどうかが自分自身に対しての判断基準だと思う。それを考えると正直私の判断基準には合わないようで賞賛も感銘も納得も落胆も否定も馬鹿にすらもできなかった。と、いう事は純文学作品としてはいい水準で完成されている作品なのかもしれない。と言うことは未読の方はまあ、ご一読を…と、いう事になるのかすらわからない。困ったものだ(苦笑)

2012/06/03

ソングライン

人のため、世の中のため、家族のために役にたとうと仕事に疑問なく打ち込む時期が人にはあります。それが、実は簡単に壊れやすく、何の価値もないものだったのかも知れないと気付いたとき、そこから先に進むのか、休むのか、余生を過ごすのかを立ち止まって、考えねばならない時がきます。この物語では、40代の主人公が大学講師の職を突然辞し、今後の身の振りを考えようとやってきた半島の町で、魅惑の中国人女性との癒しの時間を経験し、先へ進もうと決意すると突然に、これからの修羅の道を暗示する冷たい収束が待ち受けます。

2019/12/21

ネムル

特に何ということもない中年男性の半島でのだらだら記。雄飛のための潜伏とは口だけで、強い目的があるでもなく酒を飲み歩くだけの優雅な生活。が、月に酔いしれ、影に説法をくらい、時空を歪ませたような半島での彷徨いに己の道を静かに模索する。「パノラマ島奇談」をはじめ、露骨に乱歩を意識した世界観が心地よい。

2009/07/19

ぼぶたろう

仄暗くも淡々とした大人の冒険譚でした。面白かった。半島という、遮断されてもすぐ日常に帰れるという中途半端な場所で、余生とも休暇ともつかないこれまた中途半端な日々を過ごす主人公。梅雨にとても合う作品でしたー。個人的にはいくつになっても無垢な頃にできたシコリは付きまとい、それを自分なりに消化できない限り自由はないという部分を重く感じた。

2016/06/21

Муми

階段を登っているつもりなのに降りている様な半島での生活は、エッシャーのだまし絵を観ている様だった。摩訶不思議な仮初めの世界に、主人公同様に現実と非現実とがごちゃごちゃになって読み終わった後でもゾクゾクしている。

2014/10/13

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