凶器の貴公子 (文春文庫)
凶器の貴公子 (文春文庫) / 感想・レビュー
ぽてち
ボストン・テランの3作目で、これで邦訳された著書はすべて読んだことになる。なるのだが……。うーん、遡って読めば読むほどつまらなくなっていくのはなぜだ? 本書は前2作までの暴力や過激な描写は影を潜め淡々と進む。だからといってストーリーまで淡々としなくてもいいんじゃない? 本文550ページも使って語られたのが結局なんだったのか、よくわからなかった。登場人物もやたら多い割には薄っぺらで、誰も印象に残らない。毎年のように新刊を上梓しているようだが、もう日本語で読むことはできないのかもしれない。
2023/11/25
オフィーリア
図書館本。眼を移植された男性が目の持ち主の死の謎に挑むお話。怒濤の場面転換と比喩・暗喩の連打を翻訳で読むのは中々疲れました…。内容としては犯人も動機もはっきりしているので心理描写がメインでしょうか。評価の高いこれまでの作品とは少し毛色が違うようなので、前作・前々作辺りはまた読んでみたいです。
2018/08/05
あおさわ
それまでのテラン作品のような(「神は銃弾」「死者を侮るなかれ」だけ読んでます)暴力描写を期待させるあらすじでしたが、地道なサスペンスといった印象。 ただ暴く内容がマネー・ロンダリングの口封じというありそうなものだったので、「謎を解く」というワクワク感はなく、心理戦が主だってます。それを550p超は…結構しんどかったです;;読了感はさびしくはあれど悪くはないです。 やりきった感じはあります。ただ期待していたものではなかったですね。こちらもボストン・テランという名の先入観にとらわれた結果かな。
2017/10/06
vertigo
ボストン・テランが描く男性は皆弱さを抱えていてそこがセクシーだと思うのだよなー(このあたりがテランは女性なのかな?と思うところ。でも男性だったら男性だったで嬉しい)デインの正体は?という問いについてを空洞にしたことで、エシーの「私の声が聞こえたら あなたは大丈夫」の詩情も増してくる。ミステリーだと思わないほうがいいよね。
2011/06/26
かわちゃん
神は銃弾とはアプローチを変え、角膜移植をされた男と、提供した男の周りの世界を巻きこんだチェーンストーリー。バイオレンスよりは、サスペンス色強い世界も、テランの懐の広さを見せられました。
2021/05/19
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