アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13)
アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13) / 感想・レビュー
ずっきん
人格者がひとりもでてこない暗黒歴史小説第二弾。むあー、読みにくい!かなり洗練されてるけど電文調が再びチラつく。前作に比べ筆致に突き放されすぎて想像妄想が追いつかない。なんて読者に冷たいんだ、エルロイ。サディストぶりはフーヴァーとどっこいだな。でもピートが好きすぎて止まらなーーーい(ピートのとこだけは読解想像力死守で読む) でも、なんかイヤなフラグ立ってるううううううーーー(悲鳴) 邦題ダサいと思ってたら、仏版のタイトルから取ったんだーなんて気を紛らわせながら下巻へ。
2021/02/22
Richard Thornburg
感想:★★★★ シリーズ第2弾上巻。 JFK暗殺~ベトナム戦争あたりまでの混沌とした世の中の話です。 JFK暗殺の詳細的な部分を楽しみたければスティーヴン・ハンターの「第三の銃弾」をお勧めします(笑) 本作ではJFK暗殺に関する背景と謀略的な部分をクローズアップ。 主要登場人物も第1弾と比べて力関係に変化が表れてきます。 人種差別に関する問題・・・言わずもがなキング牧師絡みなんですが、そんなキング牧師にもFBIによる謀略の影。 あとはこの時代の話としてはおなじみのベトナム絡み。
2021/06/14
藤月はな(灯れ松明の火)
恥知らずのジョン・F・ケネディは暗殺された。自分にとって都合の悪い人間を暗殺の生贄に仕立て上げたフーヴァーは自らの黒人憎悪の代表とも言えるキング牧師に目をつける。そしてベトナム戦争への道筋は造られた…。兎に角、お互いを利用できるかで測り、邪魔になると殺す奴らしか出てこない。だがその罪は明かされずに自由に跋扈する奴らの感じるのは一種の清々しさという不思議。それにしてもウェインといい、エドといい、有能且つ強権的な父親にコンプレックスを持つ息子像はエルロイのあり得たかもしれない現し身なのかもしれない。
2016/01/12
秋良
ピートとウォードは続投、更に舞台に上がってきたのはウェイン・ジュニア。キーワードはキング牧師とベトナム戦争。削ぎ落とされた文体で、ベトナムの熱風とアヘン窟の不潔さ、おなじみマフィアたちの優雅な会合が楽しめる。でもやっぱり……でもやっぱり……猟奇殺人犯が足りない……。
2020/10/11
そら丸
癖になる文体が相変わらず凄いな。大著なのにこの文体になれれば一気にイケます。まあ内容が内容だけに相当体力を使いますが、上巻後半ベトナム編突入でさらに面白くなりそうな展開でこの勢いのまま下巻に突入いたします!
2011/09/07
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