魔術師 上 (文春文庫 テ 11-13)
魔術師 上 (文春文庫 テ 11-13) / 感想・レビュー
修一朗
今度の敵は引田天功ばりのイリュージョニストなのだ! マジシャンじゃないよ。変幻自在の変装術だし,どんな鍵でも瞬間で開けちゃうし,さすがのライムさんも苦戦必至だこりゃ…と思ったら,騙しあいの連続,まさに読むジェットコースターだ。だますつもりが騙されて…と思ったらさらにその裏を…ってなんなんだよー…下巻へ。
2018/11/28
bookkeeper
★★★★☆ 再読。犯行現場から消え失せてしまった容疑者。マジックの達人「魔術師」はその後もライム達を翻弄する…。 目撃証言なんて全く信用ならん!カスだ!みたいなコト言ってたライムがサックスから事情聴取を受ける羽目に…。奴は特に何も言って無かったよ、とか証言するライム。確かに全く当てにならない証人です(笑)。アドバイザーとして参加したカーラがとても良い人でお気に入り。ゲストが良い人過ぎるとちょっと心配なんだが…。ライム達の反撃を楽しみにしつつ下巻へ! 「観客の目をだますだけでなく、心も欺こうとするんです」
2020/07/25
nobby
ライムシリーズ5作目。“魔術師”という殺人鬼が様々なイリュージョンに見立てての殺人を繰り返す。狙われた人物達の繋がりは全く見えない。ライム達が予想以上に追い詰めていく様、そして身近に近寄って来る白熱の展開はさすが。上巻で謎多い反面、判明したことも多く、下巻でのジェットコースターが楽しみ。効果(エフェクト)な上巻と手段(メソッド)な下巻。マジックトリックに重ねた構成センスは秀逸。
2015/06/19
Tetchy
シリーズの中でも1,2を争う傑作だという下馬評が書評家のみならずネット読書家からも漏れ聞えて来ていたのでものすごい期待値が高い状態で読み始めた。とにかく今までと違うのは犯人である魔術師ことマレリックが殺害の途中に警官たちに囲まれてしまうところだ。それにもかかわらず逮捕の寸前まで行きながらも逃れてしまうのだ。この顛末が非常にスリリング。毎回その作品でスゴイ!と唸らされる連続殺人鬼を生み出すディーヴァーだが、今回も今までの作品の更に上に行く犯人を送り出してきた。いやはやこの作家のアイデアの豊富さには畏れ入る。
2011/12/18
よむヨム@book
★★★★☆ 星4つ やっぱり、安定的なおもしろさ。 今回は、イリュージョンを使った殺人事件なのだが、魔術師がどんな目的で被害者を殺害するのか皆目検討がつかず、物語が進んでいく。 だが、こういうフラストレーションが、いい緊張感を持って読み進められた。 イリュージョニストの見習いのカーラが、ライムやサックス達に、手品やイリュージョンなどの説明や簡単な手品をするシーンは映画のように頭の中で映像化される文書力は、ディーヴァー先生の上手さもさることながら、池田さんの翻訳が上手い事に感心させられた。
2022/02/11
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