12番目のカード 上 (文春文庫 テ 11-15)
12番目のカード 上 (文春文庫 テ 11-15) / 感想・レビュー
修一朗
毎年恒例の’新作読む前に一作’であります。御先祖が南北戦争で活躍した解放奴隷で,そのご先祖様の過去に関わるサスペンスだ。こういう歴史に纏わるお話は大好き。当然のことだが黒人が権利を獲得していった歴史だって一筋縄ではいかなかっただろう。さしずめ日本でならば戊辰戦争で冤罪に問われた御先祖様の過去を辿る女子高校生ということになるだろう。ライムさん子供が嫌いなはずじゃぁって思ったけども,こんだけしっかりした考えを持った高校生なら大丈夫みたい。それにしても,こんなに執拗に狙われるなんて,何なの?下巻へ。
2019/11/13
nobby
久々のライムシリーズ6作目。今まで読んだ中でも有数なゆっくりな展開。襲われた女子高生と黒人公民権運動、全く結びつかぬまま黒幕達が暗躍している。襲われたジェニーヴァの機転、ほぼ完璧をきたす殺し屋ボイド、そこに斬り込み冴えるライムの推理の掛け合い。気付けばまだ1日のこと(笑)心配なのは殺人課刑事セリットーが負った深刻な心の傷。いつもながらのジェットコースター期待して早速下巻へ♪12番目のカードの意味にも楽しみ。
2016/06/14
セウテス
【リンカーン・ライムシリーズ】第6弾。図書館で女子高生ジェニーヴァが襲われるが、危機を察した彼女は何とか逃げ延びる。現場には、レイプセットと12番目のタロットカードが残されていた。いつもながら、読み始めるとまるで映画のセットの中に居る様に、3D空間の中に持っていかれる驚きがある。解放奴隷を先祖に持つジェニーヴァと、12番目のタロットの持つ意味とは何か。上巻では、犯人が殺し屋である事から動機が全く見えてこない。ただ歴史的問題をテーマに置いている事から、かなりの社会的成功者が依頼者であると推測して下巻へGO。
2021/06/02
Tetchy
12番目のカードとは作品の表紙にもなっているタロットカードの「吊らされた男」だ。その意味はその絵から連想する苦しみや拷問などではなく精神的な保留と待機を表す。なぜこれが題名になったのか。それは最後まで読むと明らかになる。詳しい感想は下巻に譲るが、世間ではこの作品以前では『ボーン~』、『コフィン~』、『魔術師』の評価が高く、本書は地味でこの作品が好き!という声は聞こえてこない。確かに殺し屋“アベレージ・ジョー”は個性がないのが特徴という殺し屋だ。しかし私は本書はシリーズの中でも上位に位置する作品となった。
2012/02/26
よむヨム@book
★★★☆☆ 星3つ とある女子高校生が、強姦にあうが実はそれは偽りだった。 その犯人を、ライムやアメリア達が追う。 以前の話と違って、この上巻は落ち着いた感じで読み終わった。 下巻から急転直下の展開になるのだろうか。 もう、私はディーヴァー先生の手のひらで気持ち良く転がされたいので、素直に下巻も読んでいきたい。
2022/08/13
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