二人道成寺 (文春文庫 こ 34-2)
二人道成寺 (文春文庫 こ 34-2) / 感想・レビュー
へロム
過去と現在が、入り交じった章立てに最初戸惑いを感じましたが、途中からはそれも気にならなくなり一気読みでした。歌舞伎を題材にストーリは進みますが、歌舞伎を知らなくても十分堪能できます。【図書館本】
2014/09/10
いたろう
歌舞伎役者の瀬川小菊とその友人の探偵、今泉文吾を主人公にした、歌舞伎界を舞台にしたミステリ。シリーズ物と知らずに読んだが、これまでの作品を読んでいなくても、特に問題なく読めた。近藤さんの本は、他にいろいろ読んでいるが、本作の「あとがきにかえて」というあとがき(?)を読んで、近藤さんが歌舞伎をこよなく愛していて、だからこそ、このシリーズが生まれたということを初めて知った。歌舞伎は何度か観たことはあるが、あまり詳しくはない。本作を読んで、改めて歌舞伎が観たくなった。もちろん、このシリーズの前の作品も読みたい。
2024/07/23
えりこんぐ
探偵・今泉の歌舞伎シリーズらしいが、これ単体でもじゅうぶん楽しめた。歌舞伎役者の妻が火事にあい昏睡中。彼女は「好きな人がいる」とスタッフの女性に打ち明けていた。 歌舞伎の知識はなく、鑑賞したいともあまり思わない私だけど、歌舞伎特有の世界観や人間関係を覗くのは好き。このドロっとした感じ、さすが近藤さん。初期の積んであるものも早く読まなきゃな。【積読75】
2021/06/03
ゆきちん
梨園の御曹司芙蓉とその抜擢によって頭角を現した国蔵。不仲が噂される二人の女形。不審火により意識不明で眠り続ける芙蓉の妻、美咲が愛したのは誰だったのか?不審火事件の真相は?一応探偵は出てくるけど、前面ではなく語りで明かされていく感じ。シリーズモノらしいけど、これだけ読んでも全然大丈夫。作者の歌舞伎愛が伝わるし、世界ができてるから入り込めていい雰囲気。切ない系ミステリーが読みたい時におススメ。
2018/02/10
藤枝梅安
シリーズ4作目。「二人道成寺」といえば、最近では玉三郎と菊之助の共演が話題になったが、96年9月歌舞伎座の時蔵と福助の競演もずいぶん話題になった。某掲示板では「喧嘩道成寺」なんて書かれていた。当人同士はそう思っていなくても、とかく「あの役者とこの役者は仲が悪い」といううわさの多い歌舞伎の世界。岩井芙蓉が福助で中村国蔵が時蔵?などと思いつつ読み進める。このシリーズは謎解きがメインではなく、芝居の情景や台詞を現代風に読み解きながら、歌舞伎の舞台裏の人間模様を描くことに重点が置かれている。
2010/12/02
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