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賢者はベンチで思索する (文春文庫 こ 34-3)

賢者はベンチで思索する (文春文庫 こ 34-3)

賢者はベンチで思索する (文春文庫 こ 34-3)

作家
近藤史恵
出版社
文藝春秋
発売日
2008-06-10
ISBN
9784167716035
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賢者はベンチで思索する (文春文庫 こ 34-3) / 感想・レビュー

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ろくせい@やまもとかねよし

謎解きかと読み進めるが、最後の意外な展開で心和む読後感だった。ファミレスでバイトをする女性が主人公。彼女の周辺で起こる独立する3つの事件で構成する。謎解きの鍵は、ファミレスに高頻度でコーヒー1杯で粘る老男性。彼の場所はいつも同じ。事件は老人の指示や協力で軽快に解決していく。最後の事件では、意外な事実が明らかとされる。しかし、その解決は誰も深い傷を負わない見事な結末だった。変わり得ない事実から善悪を決定しようとする。一方その境には曖昧な領域も存在する。その曖昧さに対し嫌味ない利他的「噓も方便」解決は見事。

2020/01/11

三代目 びあだいまおう

洋服が大好きで服飾関係の専門学校を選んだ。楽しかった。でも思うような就職先がなかった。デザイナーになりたかった。普通のOL なんてやりたくなかった。で、近所のファミレスでアルバイトをしている。久里子21歳。久里子の周りでちょっとした事件が重なる。常連客が絡んで解決してゆく物語。21歳は立派な大人、でも大人世界ではほぼ最年少!社会に潜む様々な悪意に戸惑い、怒り、悩む姿は同年代の娘と重なります!父は何もできないけど、でもいざというときは必ず支えになるからな!いつまでも貴女の味方だからな❗と密かに誓う私‼️🙇

2019/08/06

さてさて

私たちは『事件』と聞くと、そこに血生臭い陰惨な場面を思い浮かべてしまいがちです。そして、それらの真実に他人事ながら気が滅入る、そんな思いをすることも多いと思います。残念ながら、この世の現実はそんな悲しい『事件』に満ち溢れています。しかし、趣味の読書で読者が悲しい思いをする必要なんてありません。そう、ここにあるのは日常の中に展開するミステリー。その結末に、人の優しさとあたたかさを感じるこの物語。近藤さんならではの読みやすく、それでいて練り上げられた”ミステリー”の世界を存分に堪能できる素晴らしい作品でした。

2021/11/03

ehirano1

表紙が可愛い(当方犬好き)のとサクリファイスの近藤さんの著書ということで手に取りました。 途中で気付くまでは完全にやられましたが、お話し的にはとっても良い読後感。冒頭から、えぇっ!?っとなる続編があるとのことで、これが気になって仕方がありません!

2019/03/02

zero1

身近なミステリーを「サクリファイス」で知られる近藤が描く。服飾の専門学校を出た久里子はデザイナー志望だったが就職が決まらずファミレスでバイトしていた。その店にはコーヒーだけで粘る老人が昼過ぎに来ていた。犬に毒を食べさせる事件が近所で連続。店のカレーは味がおかしい?店には不穏な文書が。少年の行方不明事件。犯人はあの老人?ややご都合主義が目立つか。物足りないけど近藤の作品ということでいい?「ふたつめの月」という続きあり。弓田との恋はどうなる?犬が出てくるのと日常ミステリーは、別の作品とシリーズを思い出す。

2018/12/24

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