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滴り落ちる時計たちの波紋 (文春文庫 ひ 19-1)

滴り落ちる時計たちの波紋 (文春文庫 ひ 19-1)

滴り落ちる時計たちの波紋 (文春文庫 ひ 19-1)

作家
平野啓一郎
出版社
文藝春秋
発売日
2007-06-08
ISBN
9784167717322
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滴り落ちる時計たちの波紋 (文春文庫 ひ 19-1) / 感想・レビュー

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優希

文学で「実験」をしているように思える短編集でした。タイトルとは裏腹に渇いた印象を覚えるのは、時間を「有限」と捕らえているからかもしれません。疎外感のようなものを感じさせるだけでなく、凶暴性をも表しているような気がしました。凄まじい力が内包されています。様々な主題をあらゆる技法で描いていて、文学の無限の可能性を示しているのですね。最大の作品、『最後の変身』は作品そのものも変化し続けている恐ろしさを感じました。著者の文学の力には底知れぬ恐怖をも感じます。

2015/03/31

Cambel

気持ち悪い作品と思いながらも、結局文章の引力によって読了した。でも、難しすぎて私の理解力では全く手に負えない内容だった。得体の知れない気味悪さを感じる。個人的な感覚で例えると、ドレープに覆われて手術されていれば術野に血が溢れていても平気で見ることができるけれど、遺体の解剖で身体にメスが入るのは見ることができない、という拒否反応に似ていた。誰の内面にも潜んでいる毒らしきもの(でも一生気がつかないかもしれない)が、くまなく表現されていて、無理やり見せられた感覚。もう本当に私の理解の範疇を超えている。

2017/01/29

とふめん

https://www.tohumen.com 伝えたいことを汲み取るのが難しかった。帯に書いてある通り今まで読んだことないような小説。こじらせている引きこもりの葛藤を100ページに渡ってひたすら書かれているのはすごい。

2022/11/17

ブルー

とにかく気分が悪い。嫌悪感しかない。読んでいて吐き気がする。そんな本です。ただこれは褒め言葉です。ひきこもりの話が凄くて、引きました。この作者は病んでいるのではないかと心配になってきます。凄まじい憎悪を感じる話です。

2015/05/07

還暦院erk

図書館本。著者によるカフカの『変身』『橋』評論で、この2作品に寄せている中編が本作品集に収められているとあったので借り、時間かけて読了。その『最後の変身』は引きこもり男の、衒学的なのにまとまらない思考ダダ洩れな手記。健気だったグレーゴルとは正反対の他罰的姿勢がリアル。京アニ事件容疑者の思考の流れもこんなだったのだろうか?『閉じ込められた少年』←技巧的で驚いた!『瀕死の午後』←幸薄い中年女がどうなっちゃうのか本当にハラハラした。事件現場にいるような感じだった。『バベルのコンピューター』←厖大さにクラクラ。

2019/08/20

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