文学的商品学 (文春文庫 さ 36-6)
文学的商品学 (文春文庫 さ 36-6) / 感想・レビュー
harass
小説に出てくる「商品」について論じる軽めの文藝評論。著者の作品にしては悪口芸が薄めのような気がした。だが論考や指摘にはニンマリし納得できるもの。小説の引用が多くブックガイドでもある。個人的には「オートバイ」の中でライトノベルのキノの旅がでてきたのには驚いた。「貧乏」のところで物書きの矜持について語っていてある種の感動があった。さとなおという人の解説がお手本のように秀逸なものだった。
2013/02/01
佐島楓
こういう客観視点をしっかりお持ちの斎藤さんが好き。小説作法に応用できそうだし、何度吹いたかもはやわからない。
2012/02/12
タク
昔から小林秀雄や江藤淳、柄谷行人、蓮實重彦みたいな伝統的頑固一徹硬派文藝評論より、斉藤美奈子や小室直樹みたいな傍流へ傍流へ脱線していく批評家の評論の方が楽しめる俺は学問に決定的に向いてないと思う/解説が佐藤尚之である辺りも徹底してて、どう考えても真っ当ではないんだろうけど、この身も蓋もない立ち位置は貴重。斉藤さんってずーっと本棚に残すタイプの書き手ではないとは思う。でも小説を読む時に、氏が提示した読み方やディテールへの拘りを読者の脳裏にこびりつかせてそうな、そんな批評家ではある気がします
2010/11/11
はちてん
面白い。参考になりました~。
2012/03/03
ミツ
慇懃無礼とでも言おうか、相変わらずの斎藤節。 ”文学におけるモノの描かれ方に注目しよう”というコンセプトのためか、カタログ小説や野球小説など自分にあまり馴染みのない作品が多かった。 いいか悪いかは別として、文学を芸術ではなく商品として見る視線は他の評論家とは一線を画している。
2009/02/19
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