虹色にランドスケープ (文春文庫 く 29-2)
虹色にランドスケープ (文春文庫 く 29-2) / 感想・レビュー
ミカママ
熊谷さんて、こういうのも書く方だったんだ。『邂逅の森』の印象が強く、この作品で新しい作風を見た思い。どうやらご本人もバイク乗りらしく、「ならでは」の描写が佳い。わたしの大好物、連作短編集なのだが、少々繋がりすぎな気も。でもまぁバイク乗りの友だちはバイク乗り、ってことなのかな。わたし自身は学生時代、ちょっといいなと思ってた人の後ろに乗せてもらったことがあるだけ。一生、リアシート(というらしい)でいいや(笑)
2020/04/23
きょん
若かりし頃、女子3人バイクで北海道ツーリングをした時の思い出が蘇ってとても懐かしく読んだ。バイクに乗るきっかけやバイクを通じての出会いや別れを登場人物を繋げながら話も繋がっていく。冬は寒いし夏は暑い、それでも風を受けながら走る気持ちよさはバイクに魅了された人が感じられることかもしれない。
2022/08/17
takaC
自分も元ライダーだから(ヴィンテージではなくてオフローダーだけど)いろいろ共感できた。
2015/07/22
はつばあば
人が背負う人としての重荷を、ライダー仲間との繋がりを通して書かれている。ボートの4級免許を取った時、原チャを始めて乗った時、風に当る爽快感は凄い魅力に富むものだった。原チャでさえそうなんだから大型バイクに魅せられたが、重いのがネック。それでも歩くのが弱ってきた今、原チャ様々。熊谷さんの魅力がまた一つ増えました。帯に書かれている「走る為に生き、生きる為に走る」・・人生には息抜きが、生きにくい世なればこそ、ホッとするひとときが目先を変えてくれるはず。
2015/05/12
シュラフ
虹色の七色にかけあわせたバイクをモチーフとした7つの短編集。テーマとしては社会人としてひと段落した中年男女のそれぞれの人間模様というべきだろうか。世の中の、というか人生の酸いも甘いも知るのは中年になってから。リストラ、離婚、友人の死、などさまざま苦労はあるのだが、青春の頃に夢中になったバイクだけが心のよりどころ。そんな生きざまを虹色として描くのは熊谷達也らしい優しさ。よき青春時代があればそれを糧に人は頑張れる。バイクなどにはまたがったこともないのだけど、なんかライダーという人たちが格好よく思えてくる。
2016/01/03
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