稲穂の海 (文春文庫 く 29-4)
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稲穂の海 (文春文庫 く 29-4) / 感想・レビュー
相田うえお
★★★★☆ バイリンガル?の方におすすめ!といっても仙台弁?会話の殆どが方言なので読み難いんですがいい雰囲気でてます。短編です。①捕鯨船の老砲手と見習:クジラは美味いけど今じゃね。②農家長男と元彼女:農業って憧れる〜でも甘くないか。③地方民話の謎:語り継がれた昔話って結びが納得出来ないのあるよね。④屋台の老夫婦:理想の夫婦だな〜。⑤自分が手離した車の奇跡:いい話だなー。⑥出だしヤバいよ:やっぱり電気は重要だよ。⑦宇宙人いるかな?:パンク修理出来る?当たり前だのクラッカー⑧こんな不思議な話も書くのですね。
2016/12/06
アッシュ姉
熊谷さん9冊目。昭和40年代の宮城県が舞台の短編集。高度成長期によって新しいものが便利さをもたらす一方、衰退してしまうものもあり、時代の流れに希望と不安を抱えて逞しく生きる人々が活き活きと描かれている。現代の暮らしと比較すると貧しさや不便さはあるものの、家族の絆や心の豊かさは今よりあったように感じとれる。短編なのでもっとじっくり浸りたいところもあったが、心温まる話ばかりで良かった。心地よく響く東北弁も満載で満足。夫婦愛にほろりときた「屋台『徳兵衛』」と「桃子」がお気に入り。
2016/09/23
藤枝梅安
07年3月から09年11月まで「オール讀物」に断続的に掲載された8編をまとめた1冊。昭和40年代の宮城県で働く人々や子供たちの姿を生き生きと描いている。捕鯨船乗組員、稲作農家、屋台居酒屋、酪農家など、「高度成長期」と呼ばれた時代を支えていた「精神」の豊かさを伝えてくれる。最後の「団地の時代」だけが現代を舞台としているが、前の7編が現代と繋がっていることを巧みに表現した見事な「締め」になっている。どの短編も折に触れて読み直したい作品だ。
2013/06/03
シェルティ
自分も昔仙台に11年強住んでいたので、この作家の本は毎回親しみがもてる。今回も仙台や宮城県を中心とした短編8話収録。知っている地名がたくさん出てきて嬉しくなる。桃子という作品は、家族同様に飼ってきた牛の桃子が乳も出なくなったのでかわいそうだが売ることに、それを知ってかしらずか長女の朝美が児童代表で作文を読むことに。賢い朝美は桃子も家族の一員だと、このあとは。まあ、邂逅の森のように重く重厚な作品もあれば、このように気軽な作品も。この作家さん好きだなあ!
2013/04/17
Fondsaule
★★★★☆ 「酔いどれ砲手」 「稲穂の海」 「梅太郎」 「屋台「徳兵衛」」 「てんとう虫の遍歴」 「桃子」 「星空を見ていた夜」 「団地の時代」 8編の短編集。 高度経済成長時代の東北が舞台。 捕鯨の砲手の親父さんの話がよかった。 桃子は牛だったのか。
2022/07/29
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