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古事記講義 (文春文庫 み 32-3)

古事記講義 (文春文庫 み 32-3)

古事記講義 (文春文庫 み 32-3)

作家
三浦佑之
出版社
文藝春秋
発売日
2007-03-09
ISBN
9784167725037
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古事記講義 (文春文庫 み 32-3) / 感想・レビュー

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獺祭魚の食客@鯨鯢

 明治期以降の廃仏毀釈と皇国史観が、それまでのギリシアのような人間味の豊穣さ溢れる世界だった八百万の神々の世界を捻れさせた。万世一系の天皇という無茶な強制が天皇制アレルギーを発生させ、津田左右吉氏や美濃部達吉氏への仕打ちも学術的な研究を妨げる元となった。  ヤマトタケルを始めとする説話の数々は天皇より先住の有力氏族の叙事詩・叙情詩の集大成である。これらはその後の日本人の悲喜劇の原型(プロトタイプ)となった。  私たちが持つ花鳥風月や季節感や美意識は、全て古事記と万葉集に淵源すると言っても過言ではない。

2021/11/17

saga

久しぶりの古事記関連書籍。三浦しをんさんの父である著者の文体はとても読みやすく、まさに目の前で講義を受けている感じ。古代文学、伝承文学の研究者の目を通した見解は面白い。古事記には、日本書紀にはない文学性があるのは周知のとおりだが、天武天皇が編纂を命じたとする序文は確かに疑問であり、著者の推論は大いに頷ける。口語訳古事記は他の著者の作品を読んでしまったが、本著者の作品を購入すれば良かったと後悔。

2015/05/03

shimashimaon

『ふることふひと』では、天の岩屋でコヤネ(中臣氏の祖)が差し出した鏡に誰が写っていたかが議論の的になりますが、アマテラスは鏡を知らないということを前提にオモヒカネが大芝居を打つという解説が面白いです。歓喜する神々の描写で原文にある「共咲」を「共にわらひき」ではなく「ともにゑらく」と読むという解説も奥深い。文字以前の伝承がホカヒビトの芸能等によって語られた可能性を説明します。『太平記』は古典だが『平家物語』は芸能であると言う研究者がいますが、どちらにも共通する「語り」に着目した兵藤裕己氏の本を読みたいです。

2023/05/05

うえ

48年12月、歴史学者の石母田正が、「古代貴族の英雄時代」を発表。石母田は「英雄時代は歴史学に承認されている一つの段階や時代ではないということ、英雄叙事詞は原始時代の産物ではなく中間的時代の産物であると」明確に指摘。しかしそれは「マルクス主義的な歴史観に立脚した、英雄時代の実年代の想定とイデオロギー論争へと拡散することになった」左翼的な歴史研究者にとって主要なテーマである天皇制批判と齟齬をきたすため。「石母田正は批判の対象となり…英雄時代について論じることさえもタブー視されるようになってしまった」

2018/04/28

叛逆のくりぃむ

 蓮田善明の『現代語譯 古事記』の副讀本として購入。餘り面白く無かつた。この本を讀まずに『古事記【ふることふみ】』に當たる方が良い樣に思ふ。

2013/11/07

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