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「希望格差」を超えて 新平等社会 (文春文庫 や 39-2)

「希望格差」を超えて 新平等社会 (文春文庫 や 39-2)

「希望格差」を超えて 新平等社会 (文春文庫 や 39-2)

作家
山田昌弘
出版社
文藝春秋
発売日
2009-02-10
ISBN
9784167736026
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「希望格差」を超えて 新平等社会 (文春文庫 や 39-2) / 感想・レビュー

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Tui

2007年に刊行された本。それから10年弱が経ち、だいたい書かれた通りの世の中になっているなと感じる。格差はより顕在化し、広がる一方。希望を持つことにさえ格差が生じている実態を前著で明らかにした著者が「ではどうするか」を本著で考察している。書かれている事実はかなり重い。平等を謳うタイトルが虚しく感じるほどに。私はエゴイストなのだろう。読みながら、日本の未来を、広がる格差を何とかしたいと思うより先に、自分自身が負の連鎖に巻き込まれずにいかに生き残り、大切なものを支え続けられるか、そればかり考えていた。

2016/02/10

ステビア

希望が持てる社会へ。

2014/03/05

okanotomokazu

街を歩けば、無気力な若者に出会う。若者だけではない。無気力、無関心、個人主義の大人も多い。 なぜ無気力、無関心の人間が増えたのだろうか。その原因は、社会の閉塞感だ。社会全体が活気に満ちていれば、大人も若者ももう少し、活気を持てただろう。 閉塞感の原因は90年代後半からのニューエコノミーだ。 この波にさらされると、希望を見出しにくくなる。波を乗り切れる人は勝ち組になれるが、そうでない人は負け組になるからだ。格差社会の到来だ。 そして、この格差は連鎖する。この格差の連鎖にメスを入れたのが、本書だ。

2012/06/25

Yasomi Mori

「平等」について考えるとき、結果あるいは機会の平等性に注目する議論がある。著者はそこに「希望の平等」という観点を付け加える。個人ごとの労働生産性の格差拡大、家族ごとの生活水準の格差拡大傾向はおそらく不可避だが、それを前提とした上で、希望格差(やる気の格差)に結びつかせない政策が重要だ。《希望とは努力が報われると思う時に生じる、絶望は努力してもしなくても同じだと思う時に生じる》。経済成長ということを考えるとき、社会的弱者を単に「お荷物」と考えるのでなく、格差=市場の外部不経済と捉えて積極的に支援すべき、と。

2014/04/30

eyoo

若者に対する保障が十分でないことによって、未婚・晩婚化が進み、少子化が促進されるという指摘には納得。また、ニューエコノミーはオールドエコノミーと異なり、マニュアルを作る側と実践する側に労働者が二極化するという性質は認識しておきたい。

2012/06/20

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