学園のパーシモン (文春文庫 い 67-2)
学園のパーシモン (文春文庫 い 67-2) / 感想・レビュー
きのぴ
カリスマ学園長の死期が近いことが知らされたGW明け、学園の伝説と噂される赤い封筒が高等部の女生徒ふたりの靴箱に届く。愛と自由をモットーとする幼稚園から大学までの一貫校を舞台にした学園小説。私の学生生活とはかけ離れた学校の様子や、変わった人たちにずっと戸惑いながら読んだ。人生投げやりで倦怠感に溢れた登場人物が多いところは井上さんぽかった。
2022/06/01
エドワード
幼稚舎から大学まで一貫の学園。閉じられた世界で、ある者は人気者となり、ある者は息のつまる毎日を送る。その他大勢の冷たく移り気な外野。自由な学園の閉鎖的な職員室。残り四分の三辺りで「学園のパーシモン」が登場、穏やかな表面が綻び始める。皮肉にも綻びることによって若者たちは学園を離れて真価を発揮するのだ。真衣、木綿子、恭が自分の人生を再発見する終幕に希望が見える。辻村深月作「太陽の坐る場所」の地方の公立高校、三浦しをん作「秘密の花園」のミッション女子校、自分の母校ミッション男子校と比較して読み、興味深かった。
2014/08/19
ゆっ
非現実的に受け止めちゃった。読んでいてフワフワしたり、ヒリヒリしたり慌しい本。学生の時に読んでいたら、また何か違ったのかも。
2017/04/21
rakim
この小説を読んで初めて確認したかもしれない。あの空気感。私も「一貫校」育ちで、微妙な内外の違いを知っていたから。井上荒野さんの出身校を知って納得。
2010/03/04
こっぺ
学園て響きに惹かれて読み始めた。どうしても恩田陸の「麦の海」のイメージが焼きついていて特殊なものを想像してしまう。もっとスタンダードな、けれどもしっかり閉鎖的な、そんな学園生活。特にこの子が気に入った、共感した、っていうのもなかったけれど、なんだか読み切れてしまった。自分で選択しているようで、本当はそんな余白は少しも残っていない、それが高校生ってやつかな、と思う。
2009/11/01
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