大相撲殺人事件 (文春文庫 こ 35-2)
大相撲殺人事件 (文春文庫 こ 35-2) / 感想・レビュー
徒花
嫌いじゃない。雰囲気としては蘇部健一氏の『六枚のとんかつ』に近いだろうか(アゾートも出てくるし)。一応本格ミステリっぽいトリックを使ってはいるものの、荒唐無稽な状況設定に破天荒なキャラクター設定、無理筋だらけの取ってつけたような動機などで仕上げたバカミス。途中から御前山のキャラクターが立ってきて、どんどん探偵役であるマークの存在感が薄くなっていく。そのうえ、最後には「黒力士」という歴史改変的なファンタジー要素もぶっこんできて、投げっぱなしで終わる投げっぱなしジャーマン。嫌いじゃない。
2018/01/14
aquamarine
千代楽部屋を中心に角界で次々起こる殺人事件。土俵で力士が爆発したり、入浴中に力士の首が切られたり、対戦相手が次々と殺されて不戦勝が続いたり。現実味とかどうでもよくって一見不可能な犯罪を解き明かす…しかも探偵はひょんなことから部屋へ入門したアメリカ人マーク。めちゃくちゃなのにちゃんと本格で、読んでいてこの雰囲気がどこか懐かしく楽しかったです。奥泉光氏の解説に、本格ミステリというジャンルが本質的に備えている馬鹿馬鹿しさがくっきりと姿を現している、とあって納得。そうか、本格って本来こんなんだったかも。
2019/01/09
hnzwd
立ち会いで力士がぶつかった瞬間、「ボン」という音と共に爆発する『土俵爆殺事件』に始まる相撲界を舞台とした連作短篇集。探偵役は留学のために来日し、大学と間違えて相撲部屋に入門したマーク。。。はい。清々しいまでのバカミスですね。起こる事件が派手な上、犠牲者が力士ばかりなので、幕内力士の40%が亡くなるという物凄さ。話やトリックは色々なミステリで取り上げられる定番に近い気がするのですが、登場人物を力士にして思いっきりバカ方向に舵を切ってるという。。中相撲殺人事件、小相撲殺人事件も執筆を計画中とのこと。読みたい。
2017/08/04
fwhd8325
タイトルから興味津々で読みました。想像していた内容でなかったのは残念でした。蘇部健一さんの作品を頭に浮かべましたが、ちょっと読み辛さがありました。この無茶苦茶な感じが持ち味なのででしょうが、私には、合いませんでした。
2018/02/04
oldman獺祭魚翁
タモリ倶楽部のウラスジで紹介され、そのあまりのバカバカしさで評判をとった文庫本。イヤハヤ バカミスとも呼べないアホらしい一冊だ。解説の奥泉光曰く「もはや頁をめくる手をとめることのできなくなった自分は電車を下りるまで、度肝を抜かれっぱなし、笑いぱなしとなったのだった。」これで普通に笑えるなら相当笑いに飢えていらしたんですねぇ。「こういう読書体験はそうあるものではない。」これは賛同する。こんなアホらしい読書体験は本当に滅多にないぞ(o・`Д´・o)!!
2018/08/08
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