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東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫 き 30-1)

東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫 き 30-1)

東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫 き 30-1)

作家
菊地成孔
大谷能生
出版社
文藝春秋
発売日
2009-03-10
ISBN
9784167753535
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東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫 き 30-1) / 感想・レビュー

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zirou1984

再読。ビバップ (bebop)をジャズにおけるモダニズム運動として捉え、西洋音楽史における音楽を記号的に処理しようとする系譜の中でジャズはどのように「通史」として解釈できるか、というのが本書の狙いであり、それはジャズの全盛期をその時代のアメリカの空気と重ね合わせることで見事に成功している。それも、わかりやすすぎるほどに。後書きで二人が懸念している通り、本作は決してジャズを聴くための解答ではない。音楽の楽しみ、それはわかることとわからないことの反復運動の中から生まれてくる。大切なのは考えながら感じることだ。

2015/05/28

Sam

書斎を整理してたら出てきて「おー懐かしい!」と思ってパラパラ読んでるうち結局そのまま最後まで。思えば本書で菊地成孔にハマったものでした。十二音平均律からバークリーメソッド、そしてMIDIをキーワードにジャズの歴史を語るという切り口は新鮮だったし、講義録ゆえ菊地成孔のひたすら饒舌な語りっぷりも面白く、当時夢中で読んだのを思い出しました。せっかくなので下巻の「キーワード編」も読んでみるかと。

2021/03/31

Kano Ts

面白かった!菊地成孔さんの講義を聞いていると思い込まされるくらい、文章(というか書き方か)が上手い。そうだとな。実際を書き起こしたらこんな分かりやすい文章になるわけないもんね。音楽理論の部分で一部理解できていない部分もあるが、モードの意義など今までよく分かっていなかったことの解像度が上がった気がする。音源を聞きながら楽しめるのも良い。バークリーが何故ジャズの学び舎として有名かも理解が出来た。今のジャズはどの段階なんだろう。ロバートグラスパーやカマシワシントンはどんな立ち位置でジャズをやっているのだろうか。

2024/04/06

緋莢

2004年に東京大学で行われた1年間の講義をまとめた本。こちらは前期です。「ジャズにおいてモダンとは何か?」や、世界の色々な文化に影響を与えた50年代のアメリカの文化について、などが書かれています。半数以上の聴講生が学外からの「モグリ」だったらしいですが、その理由も何となくですが、理解できる雰囲気がありました。ただ、内容に関しては、十分に把握できたとは言えず。ここの感想で「初心者にも嬉しい」とありますが、自分はその「初心者」という位置にすら達していないようです。もっと勉強しないと。

2019/06/09

田氏

鯵の小骨の中落ちくらいのわずかな身を音楽業界の隅に置いている愚生だが、その割に音楽史に不調法なので、改めて認識を正すべく読んでみた。ペダンチックに思える部分もあるものの、話し言葉で進む講義録は概ね読みやすい。なるほどだいたいわかったわあんがとさん、と本を閉じると、そこにかかる帯に「ジャズ100年の歴史をまったく新たに書き換える。」とある。そう、冒頭に「人の編纂した歴史は全て偽史である」と述べられているとおり、これもまた一つの偽史に過ぎない。結局は己の耳と渉猟によって、自分なりの偽史を作らねばならないのだ。

2017/11/08

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