ムッシュ! (文春文庫 か 44-1)
ムッシュ! (文春文庫 か 44-1) / 感想・レビュー
阿部義彦
「他のアートでいうと、絵画や彫刻の場合はやはりモノとして存在する訳だから、時としてその芸術的価値から逸脱して、カネとか投資の対象になってしまう所がある。だが、音楽は違う。投資しなくとも、カネをかけなくても心とか体に大切にしまって置けるものなのだ。」グループでも一番自由な精神を持っていたムッシュ。それが晩年の若いミュージシャンとのコラボラッシュにも繋がっていたのだろう。ただ、ケンカはしない。人を傷つけるのも嫌だしもちろん傷つけられるのもいやだ。僕自身が楽しんでさらにオーディエンスが楽しんでくれれば良い。
2017/04/01
kawa
自らをB級ミュージシャンと呼ぶ、究極の音楽自由人ムッシュかまやつ。「人しれず好きなことをやるというのがカッコいいのであって、…自分が何者だかわからないといいながら死んでしまうのが、いちばん幸せ」と言って逝ってしまった。RIZEとの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」カッコよくて、ライブに行くつもりだったのだけれど…。天国でもムッシュ、キープ・オン・ロッキン!
2017/09/25
ジュリ(村上)
序章で還暦パーティの話が始まり、『しまった、センス光るエッセイでも自伝でもなく内輪ノリの交友録か…』と青くなったが、その後は自伝が始まり安心。ムッシュというあだ名ながら米国のルーツだったことも知らなかった。駐留軍がミュージシャンを調達する段取りなど面白かった。以前安井かずみに関する本を読んだので、六本木キャンティの話題が出て話が繋がり、文化人・芸術家サークルの存在が再確認された。何度も登場する曲『ゴロワーズ』が気になり聴いてみたら面白い曲だった。これと我が良き友よがシングルというのは意外な組み合わせだね。
2023/06/24
mymtskd
ムッシュ氏の楽曲に漂うアメリカの雰囲気やセンスのルーツが見えた気がしました。60年代、飯倉のキャンティに集う当時の文化の先端を行く人たちとの交流や当時のニューヨークの状況などの話も興味深いです。自由で鋭い感性を持ちながらもムッシュ氏の穏やかなお人柄が偲ばれる1冊でした。
2018/04/17
sasha
「あの歌は、あなたがちっとも感情移入していないからいいのよね。私がもしあの歌を歌っていたら、きっと感情が入りすぎて失敗していたでしょうね」。美空ひばりの「我が良き友よ」に対する分析。凄いわ、お嬢。ムッシュはその時、好きな音楽を、自分のものして来たんだな。嫌なこともきっとたくさんあったんだろうけれど、どこか力を抜いたようなムッシュの生き方。好きだわ。
2016/05/26
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