もう誘拐なんてしない (文春文庫)
もう誘拐なんてしない (文春文庫) / 感想・レビュー
るーしあ
東川篤哉の作品はやはり面白い。ミステリーでありながら、全編に散りばめられたギャグの数々は終始安定した笑いを提供してくれる。寒いギャグを数で圧倒するのが東川テイスト。そして本題(かどうかわからないが)のミステリー編でも狂言誘拐から次の展開に繰り広げる手腕は見事。ひっくり返された感があり決して飽きさせない。せっかくのアリバイトリックも死体を司法解剖されたらバレバレなのでは? 等々、細かいところにツッコミを入れてはならない。これは東川ワールドを楽しむ作品なのだから。やはり東川作品、大好きだ。
2016/01/27
とし
東川篤哉さん、初読みです。純喫茶「一服堂」の四季を読みたいな~と思ていましたが「もう誘拐なんてしない」を先に読んで見ました。舞台は山口と福岡を挟んでの、ドタバタなコメディのようで面白く楽しく読むことができた物語でした。山口県は何度も行っている好きな所なのでなんとなく情景も浮かんできて良かったです。
2015/04/01
ちょこまーぶる
初読みの作家さんでしたが、面白かったですよ。ミステリー部分とユーモア部分がしっかりと描かれていて、通勤電車の中でほくそ笑んでましたから・・・。花園組の人々のキャラや設定が好きですね。また、皐月お嬢の男勝りの親分肌なんて最高じゃないですか。そして、翔太郎のとぼけている様でやる時はやると言うキャラも魅かれるものがありました。スカッとしたい時に読んだらいい読み物でした。
2013/11/14
gonta19
2011/6/2 Amazonより届く。 2022/1/27〜1/30 2年ぶりの東川作品。 夏休みにアルバイトとして、先輩のたこ焼き屋台を手伝うことになった樽井翔太郎。門司で商売中にセーラー服の美少女花園絵里香を二人組のヤクザから助けることに。実は彼女は組長の娘。事情により、彼女の偽装誘拐を手伝う羽目に。無事身代金を受け取ったが、花園組の若頭高沢の死体を受け渡しに使った船で見つけてしまう。誰が高沢を殺したのか。東川作品らしいユーモアに溢れつつ、門司と下関の地形を利用した本格的なトリック。楽しめました。
2022/01/30
イアン
★★★★★★★★☆☆関門海峡を舞台とした東川篤哉の長編。とある事情で暴力団組長の娘の狂言誘拐に手を貸すことになった翔太郎。身代金を奪い、計画成功かと思われたが…。狂言誘拐を扱ったドタバタコメディかと思いきや、目の前に転がった一つの死体によって物語は一気に緊迫のサスペンスに…とはならないのが東川スタイル。随所にボケとツッコミが繰り広げられ、ヤクザも警察も、地の文すらボケる。それでいて意外と(失礼)ミステリ部分もしっかりしており読み応えがあった。余談だが、ベイスターズには下関のDNAが流れていることを知った。
2024/07/03
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