妖の華 (文春文庫 ほ 15-2)
妖の華 (文春文庫 ほ 15-2) / 感想・レビュー
starbro
誉田 哲也は、新作をコンスタントに読んでいる作家ですが、デビュー作は未読でした。先日『妖の掟』を読んだので、未読の本書を読みました。デビュー作とは思えないクオリティの高さと面白さ、今後も誉田 哲也を読み続けていきます。 https://books.bunshun.jp/articles/-/5522
2020/08/18
三代目 びあだいまおう
定めを背負いし女、紅鈴の哀しき生き様に心が震えた。闇神という呪われた一族の血を引き、人間に紛れて現代の闇で潜むように、逃げるように生きる紅鈴。生きるために人の生き血を吸わねばならぬ彼女は自らの定めに秩序を敷き、遥かな過去よりの罪を背負いて妖しいまでの美しさを闇に漂わせ生きる。えげつない程のグロと、際立った女主人公のキャラ立て、そして圧倒的なリーダビリティーはデビュー作から『誉田ワールド』でした❗私は紅鈴に寄り添い生きれただろうか。真実を知り、それでも彼女を支えられただろうか?哀しき女の定めに泣いた‼️🙇
2019/09/01
absinthe
ストライクゾーンど真ん中。警察小説+ホラー。ラブクラフト的な恐怖ではなく、闇の宿命を負った美女に共感するお話。超絶な力を持ち、そして美しい吸血鬼の悲しい生き様と死にざま。ラストもよかった。ただ本書、デビュー作に近いらしく、後書きでも小説として荒削りであると指摘されていたが全然気にならなかった。
2016/12/05
ウッディ
3年前の事件で、日本古来の吸血鬼「闇神」の最後の一人になってしまった紅鈴。やくざに絡まれていたのを紅鈴に助けられたヨシキは、彼女の元に転がり込む。前日譚の「妖の掟」を先に読んだので、違和感なくこの世界に入れ、楽しめたが、強烈な残虐さとグロさ故に、こちらを先に読んでいたら、同じように楽しめたのかは疑問が残った。紅鈴やヨシキのキャラも少し弱かったような気もした。それにしても、不老不死で、超人的な能力を持つ闇神だが、食べる楽しみもなく、日光を避け、人の生き血を飲まなければ生きられない存在の悲しさが印象的だった。
2021/09/11
イアン
★★★★★★☆☆☆☆誉田哲也のデビュー作となる妖シリーズ第1弾。池袋で発見された喉元を喰いちぎられた血痕なき惨殺体。その手口は3年前の連続組長殺害事件と酷似していた…。序盤は事件を追う警察小説の体裁をとるが、最大の読みどころは数奇な運命に翻弄される妖艶な美女・紅鈴の生き様にある。人ならざる者として生きる紅鈴の悲哀と愛される悦び。それはまさに誉田版『鬼滅の刃』だ(いや、時系列的にはこちらが先か)。誉田ファンには必読の作品といえるが、デビュー作からあの井岡が登場(しかも優秀な刑事として)していたのには驚いた。
2024/05/06
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