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夏光 (文春文庫 い 78-1)

夏光 (文春文庫 い 78-1)

夏光 (文春文庫 い 78-1)

作家
乾ルカ
出版社
文藝春秋
発売日
2010-10-08
ISBN
9784167794019
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夏光 (文春文庫 い 78-1) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★☆☆19028 どれも異様な空気感を持つ短編集。次はどのくらいゾッとする話なのか?と気になってきます。①戦中、疎開した子と、顔の痣で疎外されている疎開先の子、どちらも辛い。重い空気と奇妙さが漂う話②「きょっ!」と鳴く夜鷹モチーフの不思議で薄暗いプチ怖〜な話③姉が100本の蝋燭で妹に呪いを④夜店の金魚掬いで捕った金魚を持ち帰ったものの、世にも奇妙なことが。⑤父親がマジシャンの男子が転校してきて、摩訶不思議な体験をする友。⑥感情が匂いとして感じる主人公、臓器売買のために連れてこられた子、悲痛な話

2019/03/29

★Masako★

★★★★ デビュー作「夏光」を含めた六編の短編集。顔の一部をモチーフにしたホラー色の強い話が多いが、どれもが心理描写が細やかで濃密で読み応えがあり引き込まれた!希望と絶望、美しさと残酷さ、そしてどのラストにも感じる切なさと悲しさ…。とにかくいい!スナメリの祟りだと噂される黒い痣が顔にある村の少年と疎開してきた少年の友情を、戦時中を背景に描いた表題作の「夏光」、終始ゾクゾクのスプラッターホラー「は」他、「Out of this world」、「風、檸檬、冬の終わり」が特に印象的。これはオススメ!【図書館本】

2019/09/03

ゆか

ホラー&SF?ってな話。短編集。印象に残ったのは金魚の話と最後の匂いの話。小さな金魚が巨大化していき、色々な物を食べる雑食ってだけでも不気味だけど、何よりも餌を与えずにいると睨んでくるっていうのが怖い。魚に口を開けられてビッシリ歯が生えてたりするのを想像するとゾーッとしました。それをお鍋して食べた2人はどうなるんでしょう。ひたすら何かを食べ続けないといけない運命とか?最後の話は、悲しいお話だけど、短編の中でも少しだけ後味が良くて、印象に残った。

2018/03/27

ココ(coco)

☆☆☆☆乾ルカさんのデビュー作で6編の短編集です。これがデビュー作かという感じで、全てが強烈で個性的な作品が並んでいました。最初の【夏光】のラストで夏光の本当の意味が分かる所とか、【夜鷹の朝】の不思議な娘の描写、【百焔】の呪いの話の結末、【は】はスプラッタホラ-の絶品で、【Out of This World】では切ないノスタルジックホラ-、最後の【風、檸檬、冬の終わり】は、他人の感情を臭いとして嗅ぎとる能力がある女性の話で、どれも素晴らしい作品ばかりでした。

2018/02/25

dr2006

人体の美醜は人の心をも蝕むのか。目口耳歯鼻、これらは自分以外の他人に対し、何らかのメッセージを発するが、心の動きと繋がっている。傍でそれを感じることが出来た時に、6つの物語が始まった。汚れたものや穢れた存在の描写に手加減が無いが、垣間見える一縷の光は優しさで満ちていて、そこに凄く心奪われた。乾さんの作品は何冊か読んでいるが、これがデビュー作?とは驚きだ。茹だる夏に過酷な涼を与えてくれるホラーで、人の心へのカタルシスもある。夢に出てきそうなところが・・、印象に残る怪作。

2017/07/21

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