父と娘の往復書簡 (文春文庫 ま 26-1)
父と娘の往復書簡 (文春文庫 ま 26-1) / 感想・レビュー
ムフィー
想像以上に、読み応えがあった。前から好きだったけど松たか子がもっと好きなった。 この本を読みながら、自分自身も父親との関係性や、内に秘めたる想いなんてのが湧いて出てきて、妙に目頭が熱くなったり、胸がきゅっとなる。今まで正面から向き合ってぶつけられなかったもの、聞けなかったことを、この往復書簡によって素直に吐き出している松たか子の想いに触れぐっとくるし、深い愛情を持ってそれにまた応える父親、松本幸四郎の返しがまた良い。陰で支える母であり妻の、紀子サンがどんな女性なのか興味深い。
2016/02/13
ひろみ
お父さんも生活のふとした瞬間に私のことを思ったりしているんだろうか。梨園や役者という特別な環境ではあるけれど、父親へ、そして娘へとそそがれるその視線はありふれたもので、ただ特別なのは父と娘が同じ道を志して励んでいるというその点であり、ふたりの真摯な姿勢がそのままの緊張感として文面から滲み出ている。手紙って、いいですね。普段無口なお父さんも、手紙でなら饒舌だったりするのかな。幸四郎さんのように、青春の1ページを娘に語ったりするのかな。
2015/04/22
kuriko
岩井俊二監督の『四月物語』の冒頭のシーンが浮かんできました。父と娘だけではなく藤間一家のお話という気がしました。
2017/01/06
sakwai
文春側のチェックが入っているとはいえ、松たか子の素人と思えぬ文章力に驚嘆しながら読む。一般の感覚ではあり得ない親子関係でも、本質は一般と何ら変わらない親子であることを見せたかったのであろう出版の主旨は全うされていると思うが、特にファンでもない者が惹かれるほどの魅力は正直ない。
2011/04/14
かりんとー
「友達の死というものは悲しみやさびしさではないのだね。無念さなんだよ。悔しさなんだよ」「何かを選ぶときは、何かを捨てなきゃいけないんですよ」「生きるということは、選べないというところから出発するものなのかもしれない」
2014/12/27
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