風をつかまえて (文春文庫 た 50-7)
風をつかまえて (文春文庫 た 50-7) / 感想・レビュー
RIN
かつて原発研究者で初期の頃は原発の可能性や本当の脅威(テロによる占拠、ソフト面でのクライシス)を書いていた高嶋氏が、自然エネルギー発電をどう物語化するのか興味深かった。3.11を経てご自身の「安全神話」に衝撃を受けたと新聞に寄稿していたが、(良い意味で)まだ立ち位置が定まってはいないような印象。どちらかと言えば地方の零細町工場の再生を軸に構成されていたのがやや物足りないが、風力発電のメリットデメリットを科学者らしい緻密さと政策と絡めて書いておられるのは他の危機警鐘ものと同様奥深い。今後も楽しみな作家さん。
2015/08/07
タルシル📖ヨムノスキー
〝震災キャラバン〟に続き、いまいちパッとしないというか目標を見つけられずに鬱々としている青年が主人公。今回は個人経営の小さな鉄工所が風力発電の風車を作るという池井戸潤さん的な物語。チャレンジ→挫折→努力と協力者の登場→ちょっと天狗になって諭される→リベンジ→大成功という王道展開で安心して読むことができた。それにしても、東日本大震災であれだけ原発が問題になったのに、今回の風力発電や、真山仁さんの〝マグマ〟で取り上げたり地熱発電、そして太陽光発電などの自然エネルギーの活用はほとんど進んでいない印象。
2020/07/13
もとこち
北海道の片田舎寂れて活気のない内地町。この町を自前の風車で再生させようと町議会は動くのだが、色んな問題が噴出し頓挫してしまう。建設を請け負った東間鉄工所の家族はリベンジとばかりに風車を建設しようと奔走する。その過程の中で家族が、鉄工所が、友情が、町が「再生」していく。特に工業高校落ちこぼれの主人公優輝、何が何でも自分達で風車を作るんだという熱意で寸暇も惜しんで勉強する姿。上手くなりたいから練習する、なりたいものがあるから勉強する、といった当たり前の事を思い出させてくれた。2010年読書感想文課題図書。
2018/11/01
えいきち☆。
会社から借りて読了。いいお話でした。これからのエネルギーのことは、専門じゃないから…と無関心ではいかんね。ナントカ発電が良い悪いというだけでなく、環境や政策など全てのバランス…システムの問題なのですね。 一つの目的に向かうことで再生し、強くなる人間関係の物語もとても楽しく読めました。 こういうサクセスストーリーは好いな〜爽やかだ!
2011/10/26
ペーパーピーポー
出木杉。 そんなに都合良く物事が好転するわけないだろ。 でも感動した。
2020/08/10
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