サザンクロスの翼 (文春文庫 た 50-8)
サザンクロスの翼 (文春文庫 た 50-8) / 感想・レビュー
ナルピーチ
終戦直前の南太平洋を舞台に、一基のオンボロ輸送機(ダコタ)と共に大空を駆け巡った日本人敗残兵とインドネシアの独立を目指す為に扮装する若き女性との友情を描いた冒険小説。東南アジアの終戦末期の悲惨さも織り込みながらも深みのある群像劇・冒険活劇を堪能できる物語は読み応え充分!ストーリーテラーとしての高嶋先生の筆致の上手さが伺える。戦時中を題材として扱いつつも、物語が重くなり過ぎることも無く後半に進むに連れて先の展開が気になる程の高揚感が湧き上がる!結末の描き方も清々しく読後感もとても良かった!
2024/06/04
koba
★★★☆☆
2015/06/06
RIN
生真面目なパニックもの(?)を得意とする高嶋さんのゼロ戦もの。出だしは『永遠のゼロ』っぽく現代から回想へ、という構成だったのでややデジャヴで??だったが、当然ながら全く違う展開。一言で言えば爽快な冒険譚。ディテールは終戦間近のインドネシア戦線だしシビアなものだし高嶋さんらしく丹念に書き込まれているのだが、飛行機乗りの話に焦点を合わせているせいか、どこか楽天的で陽気な調子で綴られる物語になっている。思い返せば氏の『乱神』もそんな感じだった。高嶋氏のもう一つの顔、というところでこれはこれでとてもおススメです!
2013/01/25
hushi亜子
特攻に失敗し、ある島に漂流した峯岸。そこで出会った整備兵の野村。その島に峯岸憧れの飛行機ダコタで不時着してきたマリア。この3人が戦争をどう乗り切るのか。マリアの目的は何なのか。戦争の話だが重くなく、何となく青春活劇のような感じもあり。決して戦争が悪い、悲惨だというのを訴えるものではなかった。彼らがまだ23歳なのだ、ということが大きい気がする。だから峯岸は新型ゼロ戦に乗りたかったんだと思う。最後あの3人はダコタに乗ってどこに行ったのか。
2012/01/25
quibbler1106
冒険活劇としてはいまひとつハラハラ感に欠けたかな。特攻ものとしても感情移入できず。ストーリーもやや現実離れ感が否めない。
2017/01/04
感想・レビューをもっと見る