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不貞の季節 (文春文庫 た 81-1)

不貞の季節 (文春文庫 た 81-1)

不貞の季節 (文春文庫 た 81-1)

作家
団鬼六
出版社
文藝春秋
発売日
2011-02-10
ISBN
9784167808013
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不貞の季節 (文春文庫 た 81-1) / 感想・レビュー

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じいじ

官能小説の大御所・団鬼六は初読み。元来、官能小説が嫌いではない、花房観音はほとんど読んでいる。また、文庫の解説は先には読まないことにしているが、今作は偶々阿川佐和子の解説を立ち読みで熟読した。爽やかで恥じらいながらの解説と団鬼六の人物評が秀逸。さて、読み始めたら予想以上に面白い。熱愛し合っていたはずの妻が、空想もしなかった不貞を…。哀れにうなだれる夫、自暴自棄におちいる男が切切と描かれている。でも、男の本性も弱点も曝け出しているこの小説は、読友諸姉には読んで欲しくもあり、欲しくもなしの複雑な気持ちです。

2018/11/23

KEI

読友さんのレビューに興味を持って、初読みの作家さん。(因みに読書さんのレビューの本が本書より面白かった)4編からなる短編集だが、どこまで著者の私小説なのか、フィクションなのか定かではない。元々官能小説や嗜虐、SM小説には縁が無かった。こんな世界があるのかと社会勉強(?)した。が、表題「不貞の季節」で貞淑な妻に浮気されオロオロする男の姿には、思わずこれはコメディだ!と思ってしまった(笑)様々な性癖もエロもグロも全て大らかに包み込み、それが人間なのだと言われた感がある。が、著者の作品はもう読まないと思う。

2019/02/21

桜もち 太郎

入院9日目にして、団鬼六先生の「不貞の季節」、看護師を前にしての何という背徳感。たまりません、弟子が師匠の妻を寝取る物語。ドンドンきれいになる妻。理由を知った夫は弟子に頼み行為中を録音する。煮えたぎる嫉妬と欲望そして切ない自慰行為をする鬼六先生なのであった。って実話!?教師時代に自習をさせ、教卓で投稿用の官能小説を書くなんて、「エロは私の天職」なんだろう。若き日の渥美清とのエピソードもオツだった。解説は阿川佐和子。もう少しエロっぽさを出してもらいたかったな。

2024/07/22

シュラフ

道徳ということを考えれば不倫・愛欲・同性愛は悪である。だが、我々の心の奥底には不道徳への願望がある。往々にして不道徳への妄想に悩まされることがある。この小説は、妻の不倫に悩む中年男、同性愛の美少年、被虐願望を持つ妖艶なる美女、の物語。被虐小説とは言いつつ、団鬼六は根は陽性なのだろう。とても軽やかでコミカル。エログロ小説とはいえ面白い。発行元は文春文庫、解説が阿川佐和子、ということを考えれば、団鬼六の世界もポピュラーになったものだ。道徳が廃れたということで、不道徳もなくなったということだろうか。 

2013/12/16

駄目男

『薔薇族』だったか何だったか、確か二種類ほどSM雑誌があるのは知っていたが、その手の本は一度も買ったことがない。団 鬼六、宇能鴻一郎と有名なエロ・SM作家の名前しか知らなかった。本屋に行くと、官能小説のようなコーナーもあって、立ち読みなどしている人を見かけるがこれも興味がない。然し、古本市で見つけた自分の体験談を基に、緊縛の文豪が老境に切り拓いた新境地なる小説、また谷ナオミなどに付いても書かれているので、興味本位で買ってみたが、これが笑えるほど面白い。解説には意外な阿川佐和子、これまた興味をそそった。

2020/01/05

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