厭な物語 (文春文庫 ク 17-1)
厭な物語 (文春文庫 ク 17-1) / 感想・レビュー
KAZOO
結末最悪の物語ですが、結構楽しめました。この中には10編の短篇が収められているのですが、有名なシャーリー・ジャクソンの「くじ」はほかのところでのアンソロジーで読んでいて印象に残っていました。ローレンス・ブロックのも既読ですが楽しめました。最後のおまけのフレドリック・ブラウン(高校のころ結構はまったものでした)はやはりいいですね。夏向きです。
2016/08/11
ムッネニーク
58冊目『厭な物語』(アガサ・クリスティー他 著、2013年2月、文藝春秋) 読者の心を抉るような、読後感の悪い短編小説を纏めたアンソロジー。 アガサ・クリスティー作「崖っぷち」、フランツ・カフカ作「判決 ある物語」など全11編収録。 歴史にその名を残す文豪から、現在でも活躍中の人気作家まで、幅広い人選。収録されているのは海外文学のみである。 孤独や嫉妬、復讐心といった人間の心の闇が、嫌というほど描かれる。スラッシャー・ホラーのような作品もあり、夏の読書にうってつけである。 「後ろは見るなよ。」
2022/08/09
hit4papa
読後感がすこぶる悪いイヤ〜な話を集めたアンソロジー。ホラーではないもののゾクっとするような嫌悪感を掻き立てられます。クリスティーやカフカなど古いものからランズデール 、ローレン・ブロックといった比較的新し目(?)まで、翻訳小説好きなら一度は読んだり、聞いたりしたことのある作家ばかり。その点では、期待を裏切られることはなく厭な感じ..を堪能できます。冴えない二人の酷い遊びが招いたのは、ランズデール『ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ』、妹を殺害した死刑囚へのとっておきの復讐の顛末、ブロック『言えないわけ』他。
2021/05/03
藤月はな(灯れ松明の火)
Royal DeluxeのI'm a wanted manを聴いていた時にフラナリー・オコナーの「善人はそういない」を連想して「善人はそういない」のみ、再読。改めて読む時に作者紹介を基にキリスト教を念頭に置いて読むことにしました。白い仔羊の中、黒い仔羊として生まれた男(後の半端もの)。一応、彼はキリスト教に従おうとしたが、彼の性質は変えられず、キリスト教コミュニティからはじき出された。キリスト教に馴染めなかった過去を話す彼に対し、それをキリスト教的博愛精神で勝手に共感する祖母はああなって当然だったのだろう
2017/02/03
きんぎょっち
どれもそう厭な話ではなかった。書かれた当時はショッキングだっただろうが、現代は刺激過剰というかショッキング狙いの創作物があふれているため、読者は刺激慣れしてしまっているし、オチが読めてしまうのだ。ただのショッキング狙いの作品は読み捨てされてしまう。が、さすがにこちらの短編たちはレベルが違う。好き嫌いは分かれるだろうが、すべて作品として本物だ。個人的には「赤」が好きで、「善人はそういない」が一番不条理で「厭な話」だと思った。「ナイト・オブ・ザ・ホラーショウ」はまんまアメリカ映画。読みやすいのでオススメです。
2017/03/10
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