半分の月がのぼる空 4 (文春文庫 は 42-5)
半分の月がのぼる空 4 (文春文庫 は 42-5) / 感想・レビュー
まりも
再読。難病に侵された少女と、肝炎で入院していた少年の恋物語完結編。はー、何度読んでも良いなぁ。絶望や希望を何度も乗り越え、たどり着いた物語の結末はとても素敵なもので読後は幸せな気持ちで一杯になりました。ものすごくベタなのに、何年経っても色あせない心に残る物語って滅多に出会えませんよね。やがて終わりが来ることが分かっていても、祐一と里香の二人は最後まで何時までも忘れる事の無い最高の恋愛をするんだろうなぁ。電撃文庫版は何度も読んだけど、伊勢弁版のこちらも味わい深くて良かったです。また読み返したい。
2016/04/05
パフちゃん@かのん変更
シリーズ完結編。そうか、ここで終わるのか。重い心臓病で、長くは生きられないと解っている里香。この先、就職や進学で里香が裕一の足を引っ張ることになると解っている裕一。でも付き合い続けるんだろうな。橋本紡さんのラノベでした。
2013/10/09
dr2006
ついに完結、結局一気読みした。大人の目線で読めば、裕一が里香に本心を伝えられないことにもどかしさを感じてしまうが、思い通りにいかないところがリアルな恋愛の瑞々しさだ。本作の設定は平成初期あたりかもしれない。令和の高校生の恋愛とは手段や環境が大きく違う。だが、相手より自分が傷つくリスクを優先するが為に一歩前に踏み出せない姿は一緒だと思った。里香と裕一の未来は描かれることなく、読者に委ねられている。日常生活に大きく制限を受けるパートナーを将来に渡り支える覚悟について考えさせられた。現実と未来は予定調和しない。
2024/11/20
としなり
伊勢の田舎町を舞台にした青春恋愛小説。平凡な高校男子が不治の病を背負った少女と一緒に歩む覚悟を決めるまでの成長譚。電撃文庫刊行から10年経っての文春文庫リメイク版の感想。著者あとがきで、当初の書を「下手だな」と評し、出身地である伊勢での想いを込めてリメイクしたとのこと。若いなりの一生懸命さと著者の想いが伝わってくる良い物語でした。
2017/11/13
ひろ
「わたし、裕一から何もかも奪っちゃうんですね」と里香は亜希子さんに投げかけ、「運命とか未来は僕たち次第なんですよね」と裕一は夏目さんに問いかける。二人とも不完全で不安定な場所に立っているけれど、相手のために一生懸命で生きることに真っ直ぐで「強かさ」を感じられる。何よりも苦労や苦難を乗り越えたからこその結末に、心から素敵だなと思う。砲台山での裕一のコトバ、本に対する里香の反応、大事なところを敢えて描かない終わり方が印象的。何度でも読み返したい、大切な作品です。
2013/11/01
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