海峡の南 (文春文庫 い 55-6)
海峡の南 (文春文庫 い 55-6) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
2年半ぶりの再読です。まさか本作の舞台「紋別」に住むことになるとは思ってもいなかったです。祖父の危篤を聞き、故郷へ向かう主人公「洋」とはとこの「歩美」の二人はなんとも言いがたいオトナの間柄です。初めて読んだトキも感じましたが、今回もやはりこの二人が醸し出すステキな雰囲気にすっかり魅了されます。特に「歩美」がセクシーで、本作の陰気くさい感じを見事に調製してくれてる感じがします。北海道の地方特有の人と人とのしがらみがそれなりにシリアスに書かれていますが、それはそれでひとつのリアルな人間ドラマが展開されます。
2018/09/19
hit4papa
危篤の祖父を見舞うため、北海道紋別へと赴いた主人公。親類たちと顔を合わせるうちに、失踪したヤマ師のごとき父の人生を振り返るという作品です。切り離したつもりでも、心のどこかではつながっているというのが親子でしょうか。子供の頃から思うところがあっても、父とのとある出来事を反芻するうち、徐々に気持ちが寄り添っていきます。ささやかに縮まってはいくものの、微妙な距離感を保っているニュアンスが良いですね。起伏の少ない物語ですが、自分と子供たち、または自分と父親の親子関係をだぶらせたりなどします。人生感じちゃうね。
2018/05/29
かおり
息抜きに読めるかな、と思いましたが、何だかぼんやりして淡々としてて····退屈でした。何となく「やっぱり血なのかな」と。
2018/11/20
湖都
関西で育った主人公・洋は、死期が近づいた祖父を見舞うために北海道の父の故郷を訪れる。両親は離婚、父は蒸発、一緒に北海道へ行くのは半分恋人のようなはとこ。馴染みの薄い北海道の地で、父のことや自分の半生と現実がいりまじる。自分のルーツがテーマなんだろうなと感じると同時に、北海道人が持つ「ナイチ」への思いが伝わってくる。あと、初めて知ったのだけど、秋の終わりの太った蝿って北海道の風物詩なのだろうか?この本を読むまで知らなかった…
2018/12/29
シェラ
はとこ同士の洋と歩美。微妙な距離感だけど、良い感じでした。ラストのお父さんと洋のお金のやりとりがなんとも言えず胸にしみてきました。父と息子の関係って面白いですね。回りくどい気もしますが…^^
2012/10/17
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