マンガホニャララ (文春文庫 ふ 36-1)
マンガホニャララ (文春文庫 ふ 36-1) / 感想・レビュー
hit4papa
ブルボン小林こと長嶋有の、2002〜2010年ぐらいまでのマンガ評論を集めたものです。知らない作品が多いのですが、著者のマニアックな視点が楽しい著書ですね。コロコロコミックなどフツーの大人が目を通さない漫画雑誌からも作品をチョイスするという、なかなかのツワモノぶりを垣間見ることができます。文庫版付録の「スネ夫全自慢148連発!」には、思わずニヤリとしてしまいます。後世に残る作品がどれだけあるかはおいといて、その時代の雰囲気を絶妙に捉えた時評としても見ることができるでしょう。気になる作品はメモ、メモと…。
2021/05/25
へくとぱすかる
へー、そうだったのか、という発見にみちたマンガ論。読んだことのないものが多いとはいえ、それでも差し支えのないように書かれているので、けっこう楽しめた。実際のところ、読者がどのくらい意識しているかはわからないが、マンガの巻数というものは、並の小説ではありえないほどの分量であり、そこにストーリーとしての弛緩も起こりうるだろう。それでもマンガが続けられるのは、結局はマンガであるから、方向転換が容易ということだろうか。絵で書ける強みは、同じことを小説でやろうとしても、おそらくできないことにも現れているだろう。
2015/07/07
りんご
いやもう愛です。マンガに対する愛の形よ。そういえばこういうマンガ評論みたいなの、若い頃に読んだ時は(本編を知らなければ意味が分からないじゃないか。もっとマンガを載せてくれ)と無茶なことを思っていた。そう、評論ではなくてマンガそのものをとにかく読みたかったのです。その欲は枯れつつあるのか、評論を読むことで作品を分かった気になれるようになりました。「ヒストリエ」を未読なのですが、とんでもなく面白そうです。「かりあげクンが笑わない」章では、サブ情報で笑いがしばらく止まらなかった。元気になる本。
2022/07/07
さらば火野正平・寺
文庫というのは各社あるが、私は文春文庫が一番好きである。毎月一冊は買いたくなる本が必ずある(小遣いの都合上余り買わないが)。これも買いたくなった本の一つ。週刊文春その他で連載された漫画評をまとめたもの。楽しい。表紙のハットリくんも可愛い。巻末の文庫版付録にピエール瀧との対談。図版も豊富。評論家が激賞する漫画はしばしば避け、きちんと漫画らしい漫画を楽しんでいる著者の姿勢も好きだ。縁があったら読みたい漫画もできた。巻末付録にはもう一つ『スネ夫全自慢148連発!』。文春文庫はしばしばサービスが良い。
2014/11/18
とら
ブルボン小林、面白すぎた。最近丁度藤子不二雄作品に興味が沸いていて、「まんが道」とか全巻読んだばかりだったから余計に面白い。ドラえもんもそうだけど、「モジャ公」を次は読もうかなと思わされた。あるあるが多すぎて紹介仕切れないのだけれど、読む漫画に対してどこかひねくれている考えがある部分が、自分の波長とあっていて、とにかく気持ちが良いのだ。褒めるだけじゃなくて正直に言うべきところは言ってるしね。もっと色んな作品を読もう。
2017/05/01
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