トロピカル性転換ツアー (文春文庫 の 16-3)
トロピカル性転換ツアー (文春文庫 の 16-3) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
タイで性転換手術を受けることになった能町みね子さんの体験記。今は「性別適合手術」と言うらしい。世の人たちに知られざるこの手術。私もタマと陰茎を除去するだけかとばかり思っていたが、現在のレベルはとてもそんなものではないようだ。興味のある方はぜひ本書を(と宣伝に加担する)。でも、何のためにそこまで…という疑問も。ともかく、微に入り細にわたって書かれている。相当にたいへんな手術であるようだ。読んでいて頗る面白いが(それこそ彼女の筆力)ある種の悲壮感や困惑も伝わってくる。彼女自身、何のためにの思いは消えない⇒
2024/08/20
Lara
大変な苦労、激痛、苦難を乗り越えて、死ぬほどの思いをしてまで受けた手術。でもなんだかあっけらかんと、平然とした語り草で綴られている。おしゃべりしているような文章が面白い。南国の明るい青い空の下、陽気な雰囲気だから、尚更そう感じさせる。しかし、「女になる」ための執着心、執念がそんなことをも軽減させたのだろうか。現在、TV、ラジオ、執筆活動でご活躍の能町みね子さんにとっては、今は昔のことなのか。普通に女になってしまったのか。
2022/11/20
hatayan
人気のエッセイストが2007年にタイで受けた性別適合手術の体験記。初出は当時著者が綴っていたブログ「オカマだけどOLやってます」。術前の緊張から術後の患部の様子やケアにかける手間など内容は相当リアルですが、脱力系のイラストと軽めの文章でぐいぐい読ませます。 著者が本書で訴えたかったのは、性同一性障害に対する世間の風潮への違和感。性転換した人は異様に女であることにこだわるが、女よりも女らしい人は女じゃない。ふつうの女はもっと男らしい。だから、自分は周りを見つつバランスをとってごく普通の女でありたいとします。
2020/06/16
パフちゃん@かのん変更
能町さんの本は以前『お家賃ですけど』を読んだことがある。本書の方は興味本位。タイで手術を受けたらしい。普通は週間の入院で軽い観光もできるとのことだったが、著者は心臓病の持病があり(そのことはやっとあとがきに書かれていた)結構体には負担があったらしい。かなり大変そうなのに、軽い文調で書かれている。手術はうまくいって良かった。いろんなことはマイペンライだ。
2017/07/20
Mumiu
たまたま、生まれてきた性別と自分のアイデンティティー上の性別が違っていただけなんだよ。本来そうでありたかった性別に身体もなりにタイに行く。これが今回のツアー。マイペンライの国のユルさは、彼女に合っていたようでよかった。っていうか順応力ある人ですね、この方。能町さんと居酒屋で、「**(タレントの誰かを指して)の女子力って高いよね。完全負けちゃうね!」なんてやってみたいです。
2014/01/02
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