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たまゆらに (文春文庫 や 29-22)

たまゆらに (文春文庫 や 29-22)

たまゆらに (文春文庫 や 29-22)

作家
山本一力
出版社
文藝春秋
発売日
2014-01-04
ISBN
9784167900045
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たまゆらに (文春文庫 や 29-22) / 感想・レビュー

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それいゆ

何年か前に観た映画「あかね空」が強烈に焼き付いていて、山本一力さんのこの手の作品は読む前からわくわくしてしまいます。わずか1日の短い話ですが、内容が凝縮されていて読み応えがありました。お茶と饅頭が頻繁に出てきましたが、嫌みはなくて一緒にご相伴に預かっているような気分にさせられました。

2014/12/23

アメフトファン

宝石を掘り当てた気分です。読メの皆さんがあまり読んでいないのにこんなに面白い。初めての作家さんでしたが、人間の清濁を見事に描き出しています。主人公の朋乃のたたずまい、話し方、そして真っ直ぐな心が清々しく圧倒されました。他の方が書いていましたが、財布を拾って届けるだけの話をここまでふくらませることが凄い!自分の心が如何に汚れているかが解る試金石になりました。間違いなくお勧めです!

2014/01/24

つねじろう

一力節は、今回も下町の馴染みの蕎麦屋みたいな安心感と安定感。暖簾くぐれば何時もの居心地。で、何時もの深川風景と棄捐令時代を健気に生き抜く働き者で正直者の主人公。50両の入った財布を拾って親切に届けたばかりに面倒くさい事になる。落し主との因果と因縁、男達の見栄と意地でどんどん深みにはまりややこしくなる。其れなりの男達が出て来るのに、どいつもこいつも何もたもたしてやがんでぃと啖呵のひとつも切りたくなるが、成る程そういう事だったのね。ちょとイライラしたけど、朋乃の長い一日に付き合った甲斐は有りました。

2014/02/08

Gummo

青菜の棒手振りをしている朋乃が、ある朝橋の上で大金の入った財布を拾ったことから始まる長い一日の物語。朋乃の生い立ちも絡めながら物語は進んでいくのだけれど、大半は密室劇のような一室でのやり取りに占められている。「この小説は “茶飲み小説” である」と解説にもある通り、頻繁に喫茶シーンが出てくるのも特徴的。お茶とお菓子って大事なコミュニケーションツールだったんだなぁ。大店を守るためのやり切れない仕打ちやねちっこい下っ引きには嫌な気分にさせられるが、朋乃の真っ直ぐさと子犬のごんの愛らしさとに救われる。★★★☆☆

2014/03/05

Mark

いいお話でした。朋乃の凛とした生き方がとっても清々しくて、いい気持ちにさせてくれます。正直、真面目、誠実といった言葉がとてもよく似合う、それでいて肩肘張らず真直ぐに生きようとしている姿は、例えこれまでどんなに辛い過去があろうがそれさえも跳ね返してしまう。私も朋乃ように明るく、真直ぐにいきたいですね。

2014/01/15

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