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虎と月 (文春文庫 や 54-2)

虎と月 (文春文庫 や 54-2)

虎と月 (文春文庫 や 54-2)

作家
柳広司
出版社
文藝春秋
発売日
2014-01-04
ISBN
9784167900113
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ジャンル

虎と月 (文春文庫 や 54-2) / 感想・レビュー

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ehirano1

これはまた思い切ったことを、と思い手に取りました。何しろジョーカーシリーズの柳さんなので尚更のことです。当方は結構来るモノがあり楽しむことができたのは作者の力量ではないかと思います。オリジナルが短いだけに、もっと濃厚にしたストーリーをというのは野暮なんでしょうね。

2019/10/13

hit4papa

良い子は読んでる中島敦『山月記』をモチーフ(オマージュ)とした作品です。『山月記』を読んでいないとハテナ?となるので、良い子じゃなかったならば、先に『山月記』を読むことをおススメします。本作品は、李徴の息子が主役で、父にまつわる怪異譚の隠された真実を探ります。対象となる読者は、良い子がちょっと大きくなったぐらいの年齢層でしょう。果して、息子は父と同じ運命を辿ることになるのか。本作品のオチは、そう短絡的なものではありません。ぼくによる真実の求める旅は、本家(!)をも別な物語として塗り替えてしまいます。

2020/01/25

アッシュ姉

柳広司さんか贈る『山月記』の後日譚。虎になって消えた李徴の息子が、父が虎になった真相を探るべく一人旅に出る。とても読みやすくて一時間ほどで読了。ちょっとトボけた感じの息子が可愛い。独自の解釈と謎解きも面白かった。今更ながら、漢詩の奥深さに気づかされる。高校の授業では全く興味が持てず、よく寝ていたのを思い出す。

2016/07/14

つねじろう

そう山月記、声を出して読むと良いと何度も読まされた。その韻の良さとリズム感はわかったが、なぜ李徴が虎になったか理解出来なかった。カフカの中国版?芋虫になるなら虎かなあって。そんな謎を李徴の息子の視線から描く。謎解きは作者らしい納得感のある合理的な解釈でふむふむと思うけど、閉塞感のなかで暮らしていた14歳の少年の初めて見る世界のワクワク感や人との出逢いと成長が楽しい。哲人風の爺ちゃんや初恋予感の可愛い娘も出て来るしね。謎は解けたけど本当はこの子は大好きな父親みたいに自分も虎になりたかったのかもしれない。

2014/04/23

里愛乍

本家『山月記』を読み終えて本書に入ったせいか、あらゆる意味でも読み易く、また面白く読めました。それこそ10代後半の方は本家知らなくても充分楽しめると思います。逆に中島敦に興味を持てるかも。漢詩や故事、漢字の造りに四文字熟語等、国語のお勉強にもなりますし(あわよくば)、父子・母子の葛藤、ことばについてや、スミレの件についてはとってもいい道徳事項。日にち的に今更感甚だしいですが、夏休みの課題図書に相応しい良書だと思います。

2017/08/31

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